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理念やビジョンを浸透させるためには、従業員同士が理解や解釈を交わす場づくりが重要

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村です。

経営理念やビジョンを組織に浸透させることに心血をそそぐ経営者の方はたくさんいるのですが、その反面「なかなか理念が浸透しない」と嘆く方もたくさんいらっしゃいます。どうすれば理念やビジョンが浸透するでしょうか?回りくどいですが、理念やビジョンについて話し合う場づくりが必要だと僕は思っています。

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一方的になりがちな理念・ビジョン浸透活動

理念やビジョンの浸透をどうするか、ということになると、一方的になりがちのような印象を受けます。例えば最もポピュラーな例でいうと、唱和をするというやり方があります。これは経営者が作った理念の文字を読むという行為であり、従業員の側から見ると、他人が作ったものをそのまま声に出すという、受け身の姿勢になりがちです。

また、理念やビジョンができた背景を、経営者が言葉を尽くして説明をする、ということがあります。これも経営者の思いを従業員は受け止めるという構造になるため、受け身の姿勢になりがちです。

唱和や背景説明が不要だと言っているわけではありません。これらは必要なことではあるのですが、従業員から見ると「インプット」中心であり、理念やビジョンの浸透という意味では十分な活動とは言えません。

理念やビジョンについて、従業員同士が意見を交わす場

物事は何でもそうですが、インプット中心では偏りがあります。英語の勉強を机上でしていただけでは、英語が話せないのと同じですね。英語を学んだのであれば、英語で誰かに話してみて、それが通じるのかどうなのかということを確かめなければ、英語が上達しないのと同じ理由です。

ある会社では、理念やビジョンについて、従業員自らがどう感じたか、どう解釈したのかを話し合う場を設けています。例えば「お客様第一」という理念の文言があったとして、その解釈は人によって微妙に異なる場合があります。何があってもお客様の依頼を断ってはいけないと思う人もいれば、会社の不利益になるようなことまでも引き受けることはいけないと思う人もいるでしょう。理念やビジョンのひとつの言葉であっても、それをどうとらえるかは人によって異なります。自分の理解が狭く、偏ったものであるかどうかどうのは、その理解を他人にアウトプットして、初めてわかるものです。そのアウトプットの反応によって、従業員は理念やビジョンについての理解をさらに深めることができます。

対話を通じて「意味づけ」をする

上記の例のように、自分の理解や解釈を他人と話し合うこと(対話)は、「なるほど、そういうことか!」と腑に落ちるような理解(意味づけ)を促すことになります。腑に落ちれば行動へとつながりやすくなります。人は、自分が納得していないことは行動をしませんからね。何かに納得すると、自分のあり方が変わり、行動が変わります。そのプロセスが一人、また一人と変容を促し、ひいては組織そのものが変わっていくのです。

したがって、従業員の一人ひとりが、理念やビジョンについて、「自分はこう考えている」「自分の意見は少し違う」というような話し合いの場を設け、主体的な姿勢で意味づけていく機会を作り出す必要があります。組織の中で体験したこと、見聞きしたことを主体的に語り、意味づけて行かない限り、理念やビジョンの浸透は図れませんし、共有もされません。

理念やビジョンが伝わらないからといって、単にインプットの機会を増やすだけでは意味がありません。相互の対話を通じて人々の考え方、振舞い方、あり方、個人と個人の関係や、組織そのもののあり方を、主体的に変容させていく方法を検討すべきでしょう。理念やビジョンというものは簡単に伝達できるものではありません。効率的に伝達・浸透させることだけを重視しては、真の理解にはつながりません。一方的に伝達するのではなく、従業員間で相互理解を深める対話をする場づくりが重要なのです。

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