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2020年実施ものづくり補助金の審査項目を読む(政策面③ 環境に配慮した持続可能な事業計画)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

2020年実施ものづくり補助金では、政策面の審査項目が一新されました。新しい審査項目の意図はなにか?申請する上ではどう記述すればよいか?を、考察したいと思います。最終回の今回は政策面③です。

そもそも「政策面」という審査項目は何か?

中小企業が申請する「ものづくり補助金」事業計画書の内容が、行政(国)の方針に沿っているかどうかを評価するのが「政策面」です。

どんな施策もそうですが、行政側として達成したい目的や目標があります。その実現のために「補助金」という手段で実施を促しているわけです。この「ものづくり補助金」も、中小企業の経営革新や生産性革命を促進したいからやっているんですね。単に、がんばる中小企業を応援するためだけに行われているわけではありません。

経営革新や生産性革命の他にも、国が中小企業政策として実現したいことはたくさんあります。これらをより多く満たしている企業を審査上で優遇しようというわけですね。具体的にどういう方針を満たしていれば優遇するのかを具体的に示したのが、この「政策面」です。

新政策面③には何が書いてあるか

令和元年補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」公募要領18ページ(4)政策面③には、次のように書かれています。

バイオマス素材を用いた資源循環型プラスチック製品の開発等、環境に配慮した持続可能な事業計画となっているか。

この審査項目の意図を読み取るのは(ほかの2つに比べれば)簡単です。「バイオマス素材を用いた資源循環型プラスチック」というのがキーワードですね。これは、第四次循環型社会形成推進基本計画(平成30 年6月19 日閣議決定)において持ち込まれた「プラスチック資源循環戦略」の策定と関連があります。

参考リンク

最近の環境問題でクローズアップされているのが「海洋プラスチック」の問題です。海にプラスチックが大量に流出しているだけではなく、食物連鎖を通じて我々の体内にも蓄積されているのではないかという疑念から、プラスチックごみ排出量の低減などが求められています。ここまではよくニュースなどで目にしますね。この一環として、経済産業省では2020年7月より、全小売店にレジ袋の有料化などを義務付ける予定です。排出量を減らすという対策の一方で、従来の石油などの化石資源から合成して作られるプラスチックとは異なり、植物などから作られるプラスチック(これがバイオマスプラスチック)に置き換えようという動きがあります。

ここでものづくり補助金に話を戻すと、このようなバイオマスプラスチックの開発などに関連する取り組みは加点をしよう、という意図なのだと推察されます。

バイオマスプラスチック製品の開発と関係ない企業はどうすれば点がとれる?

本事業でバイオマスプラスチック製品の開発を手がけようと思っている企業は(めったに無いと思いますが)、思いっきりアピールをすべきでしょう。

では、それに関係しない企業は、政策面③を全く満たすことができないのでしょうか?バイオマスプラスチックと関連のない企業は、今回の事業を行うことが、環境に対してどのような好影響を与えるのかということを、プラスチックごみに関わるか否かを別にして、言及をするしかないでしょうね。無論、これで政策面③の点が取れるという保証はどこにもありませんが。

まずは、自社が環境に影響を与える要素(側面)について言及する

まずは自社が環境に影響を与える要素(仕事や業務と言ってもいいでしょう)について言及しましょう。例えば当社(マネジメントオフィスいまむら)は経営コンサルティング業というサービス業ですが、資料を作るためにパソコンを使うというのが環境に影響を与える要素ですね。そして、どんな影響があるかというと、電気の使用量が増えるという影響があります。

同じように、資料を作る過程で印刷をするという作業がありますが、これも環境に影響を与える要素です。これによって、紙の使用量が増えるという影響があります。

つぎに、本事業を取り組むことで、これらの影響がどう変化するかを言及する

次に言及するのは、本事業(補助金をもらって取り組む事業)を行うと、これらの影響がどう変化するのか、ということです。

例えば当社が経営コンサルティング業という仕事について大幅に生産性向上を果たしたとすると、仕事の時間が短くなるので、電力消費量の削減になるはずです。ペーパレス化ができるような生産プロセスを採用したとすれば、紙の使用量が削減できるでしょう。

このようなイメージで、環境に与える好影響を記述します。

要素と、事業実施後の影響の両面は、いわば「ビフォー」と「アフター」の関係です。「こうだったものが(要素)」「こう変わる(変化後の影響)」という感じで示すことができれば、審査員にはわかりやすい記述となるでしょう。

環境に良い影響を与える変化にはどのようなものがあるか?

上記の例は、電力消費量の削減と紙の削減についてですが、その他に、環境に良い影響を与える変化にはどのようなものがあるでしょうか。下記に例示しますので、自社の事業を思い浮かべながら、どれに該当しそうかを考えてみてください。

  • 省エネルギー(電力、水、ガス等)
  • 廃棄物の排出量削減(紙、ゴミ、産業廃棄物等)
  • 資材や原料の使用量が削減(歩留まりの向上、再利用等)
  • 騒音・悪臭・振動低下、大気・土壌・水質汚染の予防
  • 製品・サービスのライフサイクル全体での負荷低減(部品点数を減らす、代替材料を使う、分解しやすくする・廃棄しやすくするなるよう設計を見直す等)

くどいようですが、バイオマスプラスチック製品やプラスチックごみの削減以外のことについて言及したとしても、政策面③の点が取れる保証はありません。しかし、何も書かないよりは遥かにマシですので、必ず何かを書くようにしてください。

  • B!

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