おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
週末恒例エモブロです。年齢ごとの幸福感は、日本人と欧米人とでは大きな違いがあるんだそうです。欧米人は、年をとると幸福感が回復してくるのに対して、日本人は年をとるごとに幸福感が削られていくようでして……?
欧米(全米経済研究所)での調査
全米経済研究所のDavid G. Blanchflower氏とAndrew Oswald氏が、2017年8月に報告した調査結果があります。
両氏は、7つの先行研究(総合して51カ国、1,300万人をランダムにサンプリングした研究)を比較し、20歳から90歳までの心理的幸福感のパターンをまとめました。
グラフにするとこんな感じなのだそうです。
40代後半から50代前半が底っぽいU字型になっているでしょ?このグラフを読む時に注意してほしいのは、幸福感の絶対値ではないということ。若者よりも中年のほうが幸福感が低い、というように、相対的に見るのが正しいようです。
なぜ欧米での中年期は幸福感が低いのか
中年期に幸福感が低い理由は、論文中にはほとんど触れられていないのだけれども「離婚や仕事の喪失による幸福の低下ではないか」と述べられています。最近では日本も離婚や解雇は以前よりも増えているとはいえ、欧米っぽい理由のように思えますね。
日本では年齢を増すごとに幸福感が下がる
じゃあ日本はどうなのかと思って調べてみると……日本ではU字型にならず、年をとるとどんどん幸福感が下がっているんですよ?
国民生活白書にもこう書いています。
諸外国における調査では、年齢と幸福の間にU字型の関係があるとの結果が出ているものが多い。つまり、若者と高齢者は熟年層よりも幸福だというのである。その理由としては、熟年層に入る頃には、自分の人生がある程度定まってくるので、人々は若い頃持っていた野心を実現することをあきらめざるを得ないから幸福度が下がる。その後の高齢期に入ってからは考え方を変え、後半の人生を楽しく充実させようと努力するから幸福度がまた高まるのではないかとの考察がなされている。
しかし、この(日本での)推計ではU字型にはなっておらず、67歳を底にして79歳にかけて幸福度はほとんど高まらないL字に近い形状を取っており、アメリカの結果と比べても我が国は特異っぽいですね。
日本では何が幸福感を左右するのか
ではいったい、日本では何が幸福感を左右するのかということが疑問ですよね。同じく平成20年度の国民生活白書によると、このようにまとめられています。
結婚していて、子どもがいて、高学歴で、収入が多くて……というロールモデルにそっているかどうかということなのかもしれませんね。まあ、9年前の調査なので、今とは少し違うかもしれないけれども、"世間の人"は、ステレオタイプというか表面的というか外形的というか、「世間体よい」(カッコつきです)な生き方を幸福なのだと見ている気がします。
そう言いながらも、気持ちはよくわかるんですけどね。僕も会社を辞めて独立したときには収入がないことに不安になったのだから、収入が幸福感につながることはよくわかります。でももっとこう、表面的なものではない、内面からの幸福感を持ちたいなあと、自分自身に語りかけたくなります。
私たちはこれからどうすればいいか
上の表をよく見ると「困ったことがあるときに相談できる人がいること」が、幸福感にプラスであると書いてありますね。
学歴を変えたり収入をあげたり、性別を変えるよりも、相談する人を作ることのほうが簡単そうなので、これが人生の後半を生きるポイントなのかもしれません。でもこの「相談する」というのもなかなか厄介なものです。僕の場合、「相談をする」イコール「自分の弱みを見せること」だと思ってしまうクセがあってですね……?相談をすることは「男らしくない」と思われるのではないかという恐れがあります。(ジェンダーロールに縛られてますよ、ええ)
ブログではまださらけ出せるほうなんですが、実生活ではホントに他人の相談できないんですよ。長年の友人に対してでさえ相談できないですしね。
僕の根拠のない考えですが、日本人は全体的にこの「誰かに相談をする」というのが苦手なのではないかという気がします。僕のように、弱みを見せるのは男らしくないという考えだけではなく、どうせ自分の悩みなどわかってもらえないとか、自分の悩みは些細なものなので、相談するのは相手に迷惑ではないかというような遠慮とか、いろいろなものがあるんじゃないかという気がしてなりません。
しかしこれが幸福感を覚えるポイントなのだということであれば、なんとか相談できる自分になりたいとも思うんですけどね(と、うだうだ悩む僕)