おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
9月30日、各省は令和3年度(2021年度)当初予算の概算要求を財務省に提出しました。概算要求のうち、経済産業省関連の中小企業政策について解説をします。2回めは「ものづくり・商業・サービス⾼度連携促進事業費」です。
ものづくり・商業・サービス⾼度連携促進事業費(要求額21.5億円)
まずは経産省のPR資料を見ていただきましょう。
ここでお話をする「ものづくり・商業・サービス高度連携促進事業費」とは、単独企業が申請可能であり、補助上限額が1,000万円の「ものづくり補助金」とは異なることに注意してください。本施策は、複数の事業者の連携が必要です(単独企業は申請できません)。
単独企業で申請可能な「ものづくり補助金」は例年、補正予算で執行されます。単独企業で申請可能な「ものづくり補助金」は、令和元年度補正予算として3年分の予算を基金形式で執行中です。
令和2年度当初「ものづくり・商業・サービス⾼度連携促進事業費」より倍以上の予算を要求
まず予算全体の額を見てみましょう。令和3年度当初予算では21.5億円とありますが、令和元年度補正では10.1億円でした。倍以上の要求をしていることがわかります。
しかしこの要求額のとおりに予算化されるかどうかは不透明です。というのも、令和2年度当初予算「ものづくり・商業・サービス⾼度連携促進事業費」では、もともと50億円ほどを概算要求に計上していましたが、最終的には10億円にまで減らされています。どうも財務省はこの「ものづくり補助金」に対して、効果を疑問視しているのではないかという印象があります。(過去にはこんな記事やこんな記事もありました)
「事業承継補助金」の補助率・補助額について
補助率と補助額について、令和2年度当初と令和3年度当初の両方を見てみましょう。PR資料から抜き出した表を、比較しやすいように下記にまとめました。
「小規模事業ビジネスモデル構築型」という類型が新しく設けられています。それ以外の類型に変更点は見られません。
「ビジネスモデル構築型」は、令和元年度補正でおこなわれているものづくり補助金でも公募中の類型です。それと同様の類型を、この度の当初予算における「ものづくり・商業・サービス⾼度連携促進事業費」でも設けるのでしょう。
予算が増額になっているのは、この「ビジネスモデル構築型」新設に伴うものかもしれません。補助上限額が1億円という高額ですからね。