10月16日、共同通信記事は、麻生財務相が国民一律に給付金を再支給することに否定的な考えを示したことを報じました。
『財務相、給付金再支給を否定 緊急事態宣言下と「状況異なる」』
当該記事を見てみましょう。
麻生太郎財務相は16日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルス対策として国民一律に給付金を再支給することへの考えを問われ「特別定額給付金は緊急事態宣言が全国に拡大したことを踏まえて行った。宣言が解除されている現在とは状況が異なる」と述べ、否定的な考えを示した。
(10月16日共同通信記事より)
政府与党幹部も給付金再給付は「念頭にない」
10月9日ロイター通信では、下村自民政調会長が「家計への再度の給付金については、一律給付も対象限定の給付もいずれも念頭にない」と述べたことを報じています。
政府は、コロナ対策として家計への一律10万円給付金を実施したが、下村氏は「考え方としては、岸田前政調会長が提案した所得制限をかけての給付という考え方が正しいと思う」と述べた。ただ「デジタル化の遅れで給付金の受け取りに3カ月も要し、スピード感に欠けていたことを考えれば、必要な時点で届かなければ意味がない」とした上で、「限定給付も一律給付も今時点では考えていない」と述べた。
(10月9日ロイター通信記事より。赤字筆者)
1回めの給付金の際も財務省は抵抗。民意で押し切られたかたちに
ここで思い出されるのが、1回めの特別定額給付金(今年5月に受付開始をした、一律10万円の給付)のことです。緊急事態宣言が発令され、もともとは国民一人一律10万円の給付案が検討されていましたが、財務省の抵抗により、収入減世帯に30万円を給付するという形に見直されました。当時の記事(毎日新聞社説)には次のような記述があります。
「1人一律10万円」案は、当初から検討されていた。見送りになったのは、財務省の抵抗が大きかったからだ。
(4月17日毎日新聞社説より)
しかし、条件付き給付の条件がわかりにくいこと、野党はもとより与党内部でも10万円案へ賛同する声が大きかったこと、および世論調査で条件付き給付への反対が多かったことなどから、最終的には国民一人一律10万円の給付となった経緯があります。
ただ、10万円案は、公明党が求め、自民党内でも賛同意見が多かった。見送られたのは、立憲民主党や国民民主党など野党も同様の案を政府に提案していたからだろう。野党の案には同調したくないとの思いが官邸側に強かった、との指摘も出ている。
「1世帯30万円」案は不評だった。毎日新聞などが実施した世論調査では、この案について「不十分だ」との回答が46%で、「妥当だ」の22%を大きく上回った。
(4月17日毎日新聞社説より)
確かに現状は、財務相も与党幹部も再給付については念頭にないのでしょう。しかし過去の経緯を考慮に入れると、今後の世論の動向や、秋から冬にかけての感染症の動向などによっては、絶対に再給付はないとはいえないでしょう。