おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
与党内で、ひとり親世帯への給付金再給付を提言する動きが活発化しています。提言の内容や、コロナ禍におけるひとり親世帯の経済的な状態についての記事をまとめます。
『ひとり親世帯に現金再給付を 自民特別委が提言へ』
11月25日の日本経済新聞によると、自民党女性活躍推進特別委員会(森雅子委員長)が、近く政府に対して、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う雇用環境の悪化で生活に苦しむ女性への支援策の提言を行う予定とのことです。
自民党は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う雇用環境の悪化で生活に苦しむ女性への支援策の提言をまとめた。2020年度補正予算で計上した予備費を活用し、ひとり親世帯への臨時特別給付金を年内に再支給するよう求める。
党女性活躍推進特別委員会(森雅子委員長)が近く政府に申し入れる。
同給付金は20年度第2次補正予算に盛り込み、児童扶養手当を受給する低所得のひとり親世帯に1世帯あたり5万円を給付した。新型コロナの影響の長期化に対応し、支援を強化する。
(11月25日 日本経済新聞より)
『ひとり親へ5万円支給要望 自民議連が菅首相に』
11月19日の時事通信によると、自民党の「母子寡婦福祉対策議員連盟」会長を務める永岡桂子衆院議員らも、菅首相へ要望をしています。
自民党の「母子寡婦福祉対策議員連盟」会長を務める永岡桂子衆院議員らは19日、首相官邸で菅義偉首相と面会し、児童扶養手当を受給している低所得のひとり親世帯に対し、5万円程度の臨時特別給付金を年内に再び支給するよう要望した。
(11月19日 時事通信より)
『公明 首相に3次補正で提言 ひとり親世帯への支援拡充求める』
11月24日のNHK報道では、公明党の竹内政務調査会長らが菅首相に対して提言を手渡したと報じています。
公明党の竹内政務調査会長らは、24日午後、総理大臣官邸で菅総理大臣と会談し、政府が編成を進めている今年度の第3次補正予算案について提言を手渡しました。
提言では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、生活が厳しくなっている人たちへの支援を強化する必要があるとして、ひとり親世帯や住民税が非課税の世帯などに対する支援を拡充することを求めています。
(11月24日 NHKより)
野党もひとり親家庭への給付金の再支給に関する法案を提出
一方、立憲民主党など野党4党も、新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活に苦しむひとり親の家庭に対して5万円を支給する「臨時特別給付金」を年内に再び支給するための法案を、11月16日に国会に提出しています。
立憲民主党など野党4党は新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活に苦しむひとり親の家庭に対して5万円を支給する「臨時特別給付金」を年内に再び支給するための法案を国会に提出しました。
立憲民主党・山井議員:「コロナで一番苦しんでいるのがひとり親家庭の方々。シングルマザーの方の半数以上が非正規雇用で大変苦しんでいる。第3波が来ていて、このままでは年を越せないと」
(11月16日 テレビ朝日より)
再給付を求めるのは「臨時特別給付金」(国民一人あたり10万円の「特別定額給付金」ではない)
与野党の提言や法案で求めている、ひとり親世帯への再給付は「臨時特別給付金」の再給付のようです。この「臨時特別給付金」は、2020年度第2次補正予算に盛り込まれたもので、児童扶養手当を受給する低所得のひとり親世帯に1世帯あたり5万円、第2子以降ひとりにつき3万円を給付するものです。国民一人当たり10万円の「特別定額給付金」(2020年第1次補正予算)とは別の制度です。
ひとり親世帯への給付金再支給は自治体レベルでも検討が進んでいる
ひとり親世帯への給付金再支給は、自治体レベルでも検討が進んでいます。例えば神戸市では、新型コロナウイルス対策の第4弾の補正予算案を11月22日に発表したましたが、その中にはひとり親家庭への臨時給付金3億2500万円などが盛り込まれています。
コロナ禍で生活が困窮するひとり親世帯
新型コロナウイルス感染が再び拡大する中、ひとり親世帯の経済的な実態はどのようなものでしょうか。11月10日の朝日新聞の記事を引用します。
一般社団法人「ひとり親支援協会」が全国約1300人のひとり親を対象に10月末~11月初めに実施した緊急調査結果によると、昨年と比べて「減収」「減収の見込み」との回答は65・6%に上った。一方、昨年よりも支出が「増えた」との回答は79・7%。自宅での暮らしが続き、光熱費や消毒用アルコールの費用などがかさんだとみられるという。
(11月10日 朝日新聞より)
厚生労働省によると、平成28年度調査の結果、母子世帯数は123.2万世帯、父子世帯数は18.7万世帯で、平均年間収入(母又は父自身の収入)はそれぞれ243万円、420万円、世帯の平均年間収入はそれぞれ 348万円、573万円でした。児童のいる世帯の世帯平均年間収入は739万8千円(厚労省平成29年調査)ですから、母子家庭だと世帯平均年間収入の半分以下、父子家庭でも7割強にとどまる計算です。