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「同業者が許せない」みたいな気持ちが沸き上がってくる心の狭い僕

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

週末のエモブロです。正直に言うと僕自身には、同業者に対して「許せない」みたいな気持ちが沸き上がってくることがたまにあります。でもこれって、その同業者がいいとか悪いとか以前の問題として、僕自身に実は原因があることなんですよね。

「この同業者は間違っている」という気持ちと、気持ちの波

どういうときに「同業者が許せない」みたいな気持ちが沸き上がってくるかというと、例えば同業者(誰か特定の人の事を言っているのではありません。同業者集団全体的に、という意味です)のYouTube動画などを見てると、「考えが表面的だなあ」とか「理解が浅いなあ」みたいに批判したくなってしまうんですね。自分が正しくて、その他の同業者は間違っている、みたいな気持ちになるといえばいいんですかね。自分でこうして文字に書きながら「くだらねえな」と自分で思っていますけどね(^_^;)

理性としては「お前が間違っている可能性だってあるんだぞ」とは頭の中で思い浮かぶのですが、どうもそれを感情としては受け入れがたく、ついつい批判してしまいたくなるんですよね。

しかしこういう「間違っている」と同業者を貶めてしまいたくなる気持ちには波があることにはっきりと気づいたことがありました。ある時、たまたま大きな仕事を受注して、まとまった収入が一気に振り込まれたとき、不思議なことに同業者に対するイライラが軽減されたのがはっきりとわかったことがあったんですよね。例えば先程のYouTube動画でいうと、お金を持っていて余裕があるときには「ふーん。まあそういう考えもあるよね」と軽く受け流している自分に気がついたのです。(文字通り"現金"な性格ですね💦)

リソースが減って心身のバランスが大きくマイナスに傾いた人は他者に対して防衛意識が過剰になりやすい

自分にはそうした"現金"な思考があることもしばらく忘れていたのですが、先日読んだ本に、僕のこの心理をうまく解説してくれた本がありました。(以下に紹介します。アフェリエイトではないので安心してクリックしてください)

この本はパレスチナのテロリストやイスラム国に共感して過激な行動に走る人のルポと、その心理的背景について解説した本です。この本によると、テロのような過激な行動に走る人は、いきなり社会正義に目覚めて他者を攻撃するというわけではなく、傾向としては「私的な苦悩」が出発点になりやすいのだそうです。

そして「私的な苦悩」というのは、自分の持っているリソース(それは金かもしれないし時間かもしれないし、家族や友人という親しい人かもしれない)を失くすことが出発点となっている可能性に言及しています。そして本書には次のような記述もあります。

リソースが減って心身のバランスが大きくマイナスに傾いた人は「他者に対して防衛意識が過剰になりやすい」という点だ。そして自分の所属する民族が世界の中心であるべきだという、いわゆる民族中心主義(entnocentrism)や権威主義に陥りやすくなるという。

ここでは「民族」という言葉が使われていますが、「集団」と置き換えもできます。つまり我々の心理的傾向として本書の一文を引用すると「個人が日常生活で抱いた悩みや不満は、社会の問題に昇華されていることが多く、その過程で被害者意識が生まれ、彼らの頭の中で社会への報復としての暴力が正当化されていく」ということでもあります。

これはテロリストにだけ当てはまる理屈ではありません。例えば日本でもコロナ禍で"自粛警察"が出現したことは記憶に新しいでしょう。身近に感染者や感染により死亡した人がいれば、その人にとってのリソースの減少につながります。それだけではなく、休業を余儀なくされ、収入が減ってしまった人にとってもリソースの減少に直面することになります。こうして心身のバランスが崩れてしまうと、「社会が悪いから自分が不遇なのだ」「政権が悪いから自分が不遇なのだ」「ルールを守らないあいつが悪いから自分が不遇なのだ」という被害者意識が高まり、その報復として自粛警察やSNSでの攻撃につながっていく、という説明も本書にありました。

同業者に対して攻撃したくなる僕の心理もここにあるのではないか

僕も冒頭で書いたように、同業者に対してイライラが募ることがよくあります。これは決して僕だけではなく、他の同業者にも同じような傾向があるんじゃないかと感じることがあります。僕が実際に見たものだと「事務所名に個人の名前を入れるのはアホだ。許せない」みたいな投稿をSNSで見たことがありました。「マネジメントオフィスいまむら」という当社の社名にも僕の姓が入っていますが、こういうことをする人はアホなんだそうです。

「事務所名くらい好きにつければいいじゃないか」とどうでもいい話に思えるのですが、おそらく当の本人にしては、内集団(事務所名に個人の名前を入れない集団)が外集団(事務所名に個人の名前を入れる集団)に攻撃をしかけているわけですね。そしてその根本的な理由はきっと――当の本人にしても事務所名などという話は心底としてはどうでもいい話であって――その人個人のリソースが減少していることを発端としているのだと思います。だからこういう攻撃を真に受けてはダメで、「ああ、個人的にいろいろしんどいんだろうな」と解釈してスルーするのがいいんでしょう。

特に士業は、同じ名称が名乗れたり、同じ試験をクリアしたりと、内集団の同一性が結構高い集団なので、その同一性から逸脱するような外集団に対して攻撃が向きやすいのでしょう。そしてそれは個々人に問題があるということもありますが(リソース減少の問題で)、同一性が高いがゆえに他社への攻撃が起きやすい状態を最初からはらんでいるのだとも言えるのでしょう。

とはいえ、同業者であれば誰彼構わずに噛み付くわけではなく、仲良くしている人にはそういう攻撃性が向かないんですよね。これも本書の中で説明がされていますが、相手を共感可能な「人間」と見た場合は、攻撃性が向きにくいのだそうです。ですので、僕自身の中には、同業者を貶めてやろうという気持ちと、同業者と仲良くやっていこうという矛盾する気持ちが同居しているということですよね。

同業者に対してイライラが募りやすい心の狭い僕です。でもその原因は自分の中にあるので、気をつけないといけないですね💦

  • B!

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