おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
事業再構築補助金の審査項目は全部で13あります。一つずつ解説をします。今回は政策点④について解説します。
事業再構築補助金審査項目は動画でも概説しています(無料・登録不要)
事業再構築補助金審査項目「政策点」とは何か
そもそも「政策点」とはどういう位置づけの審査項目なのでしょうか。事務局が公開した動画「中小企業等の思い切った事業再構築への挑戦を支援 事業再構築補助金のご案内 =実践編=」にて、中小企業庁経営支援部長村上敬亮氏は下記のように説明をしています。
基本はここまで(事業化点と再構築点)で(採択が)ほとんど決まります。ですが、いくつか政策的に、今、政権をあげてデジタルとカーボンニュートラルってやっていますんで、これDXで考えるとすごいこと言っているよねと、コロナ禍のV字回復の中でこれおもしろいねとか、ニッチな分野でこれちょっとグローバルニッチトップっていうんですけど、世界のトップ取れちゃうかもとか、それからこれ地域引っ張るよねとかいうようなやつは、そのチャレンジは買おうと言うところは逆転ありと、いうふうにしようと思っている(後略)(動画39:08ごろより)
当社の解釈としては、行政として政策的に重要視しているものと合致する取り組みであれば加点をするという審査項目といえます。村上氏は「基本はここまで(事業化点と再構築点)で(採択が)ほとんど決まります」と説明をしているところから、政策点の得点配分はもしかしたら事業化点や再構築点の得点配分と比べて低いのかもしれません。
事業再構築補助金審査項目 政策点④
地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。
この審査項目は「地域未来牽引企業」を意識したもの
当社の解釈では、経済産業省の施策である「地域未来牽引企業」を意識した審査項目です。
地域未来牽引企業とは、地域内外の取引実態や雇用・売上高を勘案し、地域経済への影響力が大きく、成長性が見込まれるとともに、地域経済のバリューチェーンの中心的な担い手、および担い手候補である企業を選定する制度のことです。選定は基本的に地方自治体や関連機関による他薦であり、自らが応募・申請することはできません。
地域未来牽引企業の選定企業が加点されるということは、経産省のホームページ「地域未来牽引企業への支援策」にも明確に書かれています。
2019年には日経新聞でも「経産省が『地域未来企業』に補助金を優先採択」という記事を出したように、経産省は地域未来牽引企業の選定企業を審査で加点することに熱心です。ちなみにものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金などでも加点がされます。
地域未来牽引企業への加点項目・審査上の考慮をされている補助金だと経産省のホームページで書かれていますので、地域未来牽引企業に認定されていない企業が、この政策点で加点を受けられるかどうかはわかりません。わかりませんが、何も書かないよりもマシですので、未選定企業が少しでも採択の可能性を高めたいのであれば、地域未来牽引企業の選定要件に沿って、自社が地域貢献できる企業であるかどうかを事業計画書でアピールしたほうがよいでしょう。
地域未来牽引企業の選定要件
地域未来牽引企業の選定要件を、選定実施要領からからみてみましょう。
事業再構築補助金の事業計画書でも、上記の「審査の視点」にそって、自社の再構築の取り組みが地域未来牽引企業に準ずるものであるということを訴求するしかないでしょう。しかし、繰り返しになりますが、ここまでやっても未選定企業が加点されるかどうかはわかりません。