おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
6月16日・18日に事業再構築補助金1次公募の締切がありました。不採択の方は残念でしたが、再チャレンジのチャンスがあります。再チャレンジを考えている方向けに、見直しのポイントを7点にまとめました。これを参考にブラッシュアップをしてみてください。
1.事業再構築指針を熟読して要件を全て満たしているか確認する
これが最も重要な点です。指針及び指針の手引は下記をご参照ください。
指針はかなり複雑で読み込むのに骨が折れると思いますが、基本的には「これまでに提供したことのない新製品・新商品・新サービス」を「新たな顧客」に提供するというのが求められています(非製造業における業態展開の場合は例外もありますが)。つまり今の製品・サービス提供の延長線上にある内容や、今の製品・サービスに軽微な変更を加えたような内容(例えば今の製品・サービスの作り方を効率化するだけのような内容)ではこの指針の要件を満たしません。
この要件を満たさない企業が、要件にあわせて無理に事業を作り上げることには様々なリスクが伴います。当社の見解としては、指針の要件に合わない企業は、無理にあわせることをせずに、当補助金を断念することをことを推奨します。
2.事業再構築補助金公募要領の不適格要件に該当しないかを確認する
つぎに確認したいのは、公募要領P14~15にある「以下に該当する事業計画である場合には、不採択又は交付取消となります」の12項目です。これに一つでも該当するものがあれば対象外です。特に確認をしたいのは下記の4点です。
- 具体的な事業再構築の実施の大半を他社に外注又は委託し、企画だけを行う事業
- 専ら資産運用的性格の強い事業
- 建築又は購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業
- 農業を行う事業者が単に別の作物を作るような事業
3.事業再構築補助金の経費として広告宣伝・販売促進費や外注費といった一過性の支出が大半を占めていないか確認する
この補助金は基本的に、設備投資に代表される有形固定資産・無形固定資産の取得を支援することが目的です。公募要領のP21にも書いているとおり、一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占めるような場合には、本事業の支援対象にはなりません。資産性のない経費のみを計上する事業や、1つの経費区分だけに大半の経費を計上する事業等、特段の事由がある場合には、応募申請時に、その理由を明らかにした理由書を添付書類に追加して提出する必要があります。
なお「一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半」の「大半」がどの程度を指すのかは明らかになってはいませんが、半分を超えるような場合は要注意と見るのが無難だと当社では考えます。
4.事業再構築補助金の事業計画書は15ページないし10ページいっぱいまで書く
公募要領のP24に書かれているように、A4サイズで計15ページ以内(補助金額1,500万円以下の場合は計10ページ以内)での事業計画作成が求められています。この15ページないし10ページを超えるのはもちろんですが、少ないのもよくありません。書くべき項目(公募要領P24~P25および審査項目)が盛りだくさんなので、どんなに詰めて書いても15ページないしは10ページで収めるのが難しいくらいのボリュームです。したがって、これを下回るような事業計画書は即不採択になるとは言いませんが、記述が求められている一つ一つについても記述の内容が薄くなるため、結果として審査員への訴求力が低くなります。15ページも書くのは大変でしょうが、ぎりぎりまで埋めて下さい。
5.事業再構築補助金の事業計画書は(特に審査項目は)漏れ・抜けのないように書く
また、書くべき項目(公募要領P24~P25および審査項目)は全て漏れなく、抜けのないように記述をしてください。この記述の内容に対して採点がされますので、漏れ・抜けがあると必然的に点がとれません。書くべき項目(公募要領P24~P25および審査項目)と、自社が作成した事業計画書を見比べて、一点の漏れや抜けもないように記述し、チェックをしてください。
6.事業再構築補助金の事業計画書は「ストーリー」になるような順番で書く
公募要領で書くべき項目が明示されているので、事業計画書も、これら項目を上から順番に書いていけばいいんじゃないかと思われるかもしれませんが、そういうわけにも実はいきません。というのも、公募要領では、事業計画書の構成があらかじめ指定されています。ぜんぶで1~4部までの構成になっており、それぞれにこういう内容を書きなさいということが定められています。その「書きなさい」と言われている内容をしかるべき部分に書かなければいけません。
そしてもう一つ考慮すべきことはストーリーです。読み手である審査員も人間なので、何の関連もない情報の羅列するだけだと、書いている内容が頭の中に入りません。起承転結のようなストーリーになっていないと、事業計画書のような内容は理解が難しいんですね。したがって、要求されている4部構成も守らなければならないし、審査項目も網羅しなければならないし、読み手が理解しやすいストーリーにも仕立てる、ということをやってのける必要があります。
どうやってストーリーに仕立て上げるかについては、当社が過去に動画で解説をしていますので、ご覧ください(無料・登録不要)。
7.将来の売上高の根拠を具体的に書く
中小企業庁の偉い人が、事業再構築補助金1次公募の申請について「顧客規模の想定の積算根拠が甘い」と評していました。要は「補助金をもらって事業再構築につとめた結果、将来的になぜそれだけの売上高になるのか」という根拠をしっかり示しなさいということです。
偉い人が言っていることですので、「売上の根拠についてしっかり審査をしなさい」と審査の現場に対して指示が出ている可能性があります。詳しくは下記の記事を参照してください。
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事業再構築補助金「顧客規模の想定の積算根拠」って何?どうやって求めるの?
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