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持続化補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金の予算執行率分析=経済財政諮問会議資料を読む

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

7月21日、経済財政諮問会議が行われました。そこで提出された資料に、中小企業生産性革命推進事業(持続化補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金)の予算執行額・率がわかる資料がありました。この資料から執行率等を分析し、様々な推測を試みてみます。

経済財政諮問会議の資料はこちら

経済財政諮問会議で提出された資料の該当部分を下記に抜粋します。

資料2-2 経済対策のフォローアップについて(金融政策、物価等に関する集中審議資料)(参考資料)(内閣府)より

リンクも貼っておきますので確認してください。

昨年(2020年11月)の予算執行額・率との比較

昨年11月9日に行われた経済財政諮問会議でも、持続化補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金の予算執行額がわかる資料がありました。この資料は、「資料2-1 経済対策のフォローアップについて(内閣府)」の15ページ目にあったものです。

資料2-1 経済対策のフォローアップについて(内閣府),2020年11月9日

昨年11月と、この度公開された情報を比較してみます。下記の表は、上記の情報をもとに当社が加工したものです。

※数字の単位は億円

2019年度補正予算の執行率は(主観的ですが)かなり低いのではないか

当社が分析したところによると、2019年度(令和元年度)補正の3事業合計執行額は7月時点で970億円(執行率27%)でした。もともと2019年度(令和元年度)補正の3事業は予算総額は3,600億円ですが、これは年に1,200億円ずつ、3年間かけて支出する方向であることが、2019年12月2日の朝日新聞記事に書かれています。

政府は今月上旬にまとめる経済対策で、中小企業支援に3600億円を投じる調整に入った。年に1200億円ずつ、3年間かけて支出する方向だ。

当初の予定では、来年(2022年)まで募集を行うことが想定されていたわけです。この7月はちょうどその半分の折返し地点にありますが、それでも執行率が27%です。この執行率は、交付決定済みの企業を数えていると思われますので、前回採択分のものが含まれていない可能性はあります。しかしそれを考慮に入れても執行率は低いと言って良いでしょう。執行率が低い理由はいくつか想定されますが、①コロナ禍により設備投資が手控えされている、②コロナ対策として設けられた特別枠や事業再構築補助金のほうが条件がよいのでそちらに流れている、という感じではないかと思います。

当初は3年かけて支出する予定であったとはいえ、この執行率は気になるところです。当初の予定どおり行うのであれば、来年まで公募が継続されるのでしょうが、当初(2019年暮れ~2020年初頭)とはだいぶ状況が違います。当初はコロナウイルス感染拡大のことなど全く話題にもならなかったですからね。果たして本当に来年以降も継続されるのかどうかは見守る必要があるでしょう。

一方、202年度(令和2年度)補正の3事業は、いわゆる「低感染リスク型ビジネス枠」のための予算ですが、こちらは7月時点の執行率が10.9%でした。2020年度補正の持続化補助金もものづくり補助金も、また1度しか採択発表されていません。その上、おそらく交付決定済みの企業をカウントしていると思われますので、これに関しては執行率は低めに出て当然だとは思います。

3事業の予算執行額の割合を分析

3事業(持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金)の予算執行額の割合を分析してみました。下記のとおりです。

※数字の単位は億円

これを見て真っ先に感じるのは、これまでは持続化補助金に重点的に配分されてきたような印象がありますが、それが解消されてきたのではないかという点です。どちらかといえばものづくり補助金に重点が移ってきているような印象もあります。特に2019年度3次補正(昨年行われたコロナ対応特別型)の配分と比べると一目瞭然ですね。この数字が何を意味するのかを言い当てることは容易ではありません。確かに昨年の特別枠(コロナ対応特別型)の初期段階では、持続化補助金の採択率が9割近くになるなど、かなり重点的に持続化補助金は配分されていました。その後、採択率は低下をしましたので、政策的な意図をもって操作をしているのだと思われます。

 

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