おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
「毒物及び劇物取締法」、通称毒劇法の解説5回めは、毒物劇物の譲渡・廃棄・情報提供について、法14~15条を中心に説明します。
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毒物劇物の譲渡・交付
毒物劇物営業者が、毒物劇物を誰かに販売したりするときにどうしないといけないのかを定めているのが法14条と15条です。
これは毒物劇物営業者の間で販売、授与する場合と、毒物劇物営業者が業務上取り扱い者などに販売、授与する場合とで法の定めが少し異なっています。
基本的には販売するときに、毒劇物の名称、数量、販売年月日、譲受人の氏名、職業、住所を書面で記入の上、5年間保存しないといけないことには変わりはありません。
毒物劇物営業者の間で販売、授与する場合は登録の有無の確認が必要ですし、毒物劇物営業者が業務上取り扱い者などに販売、授与する場合は、譲受人(買う人)が押印しないといけません。
また、引火・発火・爆発性のあるもの(亜塩素酸ナトリウム(30%以上)、塩素酸塩類(35%以上)、ナトリウム、ピクリン酸等)の販売・譲受ではなく、交付のときも氏名・住所の確認が必要です。(第15条2項)
毒物劇物の情報提供
また、販売に際しては必要な情報を提供することも求められています。ここに書かれている13項目が、法で定められた情報提供すべき項目ですが、SDS、安全データシートというものに記述し、販売時に交付することが一般的です。
毒劇法で定められている提供すべき情報の項目と、JISで定められている提供すべき情報の項目は微妙に異なりますが、基本的にはJISで定められている提供すべき情報の項目を網羅していれば間違いないでしょう。SDSのサンプル、モデルは、厚生労働省のサイトから誰でも見ることができます。
本来は毒物劇物営業者がSDSを交付することが義務ですが、SDSが更新された際は、購入者が問い合わせをしないと毒物劇物営業者から情報提供してもらえないというケースが散見されます。緊急時の処置方法など、SDSには安全確保のために重要な情報が書かれていますので、常に最新版を入手できるよう(営業者の場合は顧客等に対して交付するよう)務める必要があります。
毒物劇物の廃棄
そして毒劇物の廃棄方法も決まっています。その物質によってどう処理するかが異なっていますが、基本的には中和、加水分解、還元、酸化、希釈等のばけ学的処理を行うか、ガス体、揮発性のものは揮発させるか、燃やせるものは燃やして処分するかのどれかです。