おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
3月3日より、「令和3年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の公募が始まりました。空調等のユーティリティ設備や、工作機械等の生産設備の更新を行うための補助金です。概要をざっくりと解説します。
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の公募要領はこちら
公募に関する解説動画も公式が用意しています。
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」とは何か?
経済産業省・資源エネルギー庁主幹となって実施している、国の補助金施策です。令和元年度補正(2020年実施)から創設された新たな制度ですが、名称や条件が毎年少しずつ変わっています。(「生産設備におけるエネルギー使用合理化等事業者支援事業費補助金」などと呼ばれていました)
省エネ性の高い設備や、生産性向上に資する設備への更新を支援することが目的です。
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」に申請ができる事業者は?
この補助金に申請可能な事業者は、次の5点すべてを満たす事業者です。
補助対象事業者の要件
- 国内において事業活動を営んでいる法人及び個人事業主であること
- 直近の年度決算において債務超過でないこと
- 本事業により国内において設置する補助対象設備の所有者であり、その補助対象設備の処分制限期間中、継続的に使用する者であること
- 取得した補助対象設備を、取得財産等管理台帳に記載の上、善良な管理者の注意をもってその設備等を管理し、運用を図る者であること
- 経済産業省から補助金等停止措置又は指名停止措置講じられていない者であること
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の補助金額は?
設備の種類によって補助金額の算定方法が異なります。一般的には①に基づいて計算するのですが、冷凍冷蔵設備、調光制御設備、印刷機械などは②に基づいて計算されます、
例えば、マシニングセンタの導入を例に挙げましょう。マシニングセンタは、①の計算式で補助額を計算します。マシニングセンタの場合は、公募要領P62によると、平均テーブルサイズ当たりの補助金額が5,000円/千mm2です。
一例として、オークマの横型マシニングセンタ(MB-5000HII)についてSIIのホームページで検索をすると、能力が250千mm2とあります。したがって、オークマの横型マシニングセンタ(MB-5000HII)に対する補助金額は、250x5,000円=1,250,000円ということですね、
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の補助対象設備は?
この補助金では、どんな設備でも補助金の対象となるわけではありません。以下に示す設備区分であり、環境共創イニシアチブが定める基準を満たすことが必要です。
基本は、対象設備としてあらかじめ登録されている設備について「製品情報証明書」を入手する指定計算の方法です。しかし、登録設備でなくても、独自計算の方法によって対象設備であることを立証することができるようです。
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の設備区分
上記の設備区分のうち、次の要件を満たす必要があります。
補助対象設備要件
- エネルギー管理を一体で行っている国内で既に事業活動を営んでいる工場・事業場等において、現在使用している設備を本事業で定められた補助対象設備に更新すること
- 工場の移転や集約等、既存の事業所を移設する際に既設の設備を更新する場合は対象とする
- 既存設備を補助対象設備へ更新して省エネルギー化を図る事業であること
- 更新前後で使用用途が同じであること
- 兼用設備、将来用設備又は予備設備でないこと
- 中古設備でないこと
- その他法令に定められた安全上の基準等を満たしている設備であること
- 自社で製造する製品ではないこと
※上記補助対象設備において、本体以外のオプション又は付帯設備、工事費等は補助の対象外
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の公募スケジュールは?
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の公募スケジュールは下記のとおりです。正式に発注できるのは、どんなに早くでも5月下旬頃で、納品・支払いが2023年1月31日までに完了していないといけません。(つまり発注から納品までの期間が、おおよそ7ヶ月程度が限度です)
申請に必要な情報を「補助事業ポータル」(Web)に入力をして、入力した情報を印刷して郵送するという流れです。電子申請ではありませんので注意が必要です。4月5日の17時までに、事務局に必着です。
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」の審査項目・評価項目は?
「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は、審査があります。どういう観点から審査・評価されるのかは、公募要領にかかれています。基本的な要件をすべて満たすことは当然のこととして、基本的には省エネの度合いが高いものが高い評価を得られるようです。「計画省エネルギー量」とありますので、ある程度の台数の設備更新を一度に行うほうが評価は高そうです。
①審査項目
- 補助対象事業者及び補助事業の内容が、交付規程及び公募要領の要件を満たしていること。
- 補助事業の全体計画(資金調達計画、工事計画等)が適切であり、事業遂行の確実性、事業の継続性が十分であると見込まれること。
- 導入する省エネルギー設備が設備区分毎に定められた基準値を満たしていること。
②評価項目
- 計画省エネルギー量
- 計画省エネルギー率
- 経費当たり計画省エネルギー量(補助対象経費1千万円当たりの計画省エネルギー量)
以下項目に該当する場合には評価を行う。
- 中小企業等経営強化法第17条第1項に基づき認定(第18条第1項に基づく変更の認定を含む。)を受けた「経営力向上計画」に記載された事業
- ベンチマーク改善に資することが認められる事業※企業体が大企業の場合は除く。
- 中小企業者等の省エネルギー事業(⇒詳細は10ページ参照)
- 設備更新に当たりエネルギー転換(化石燃料から電気)を行う事業