おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
11月10日、経産省は『経済産業省関係令和4年度第2次補正予算案の事業概要(PR資料)』を公開しました。この資料をもとに、来年(2023年)の事業再構築補助金の見通しを解説します。
経産省『経済産業省関係令和4年度第2次補正予算案の事業概要(PR資料)』はこちら
『経済産業省関係令和4年度第2次補正予算案の事業概要(PR資料)』における2023年ものづくり補助金の説明はこちら
赤枠の部分がものづくり補助金の該当部分です。
2023年ものづくり補助金に関する当社の勝手なコメント
まずはこのPR資料をみた大雑把な感想ですが、2022年ものづくり補助金と大きな変更はないでしょう。細かい変更はいくつかあると思いますが、PR資料から読み取れる変更点は3つです。
1.大幅な賃上げをする企業には補助金額上乗せ
2.グリーン枠では補助額が拡充
3.グローバル展開型でなんらかの措置がありそう
ただし、狭き門になると思っています。それは予算が昨年度よりも減額されているからです。詳しくは過去のこの記事をご覧いただきたいと思いますが、補助上限額が上がり、予算が減っているということは、採択される企業が減るといことです。もちろん応募する企業数にもよりますが、現行は5割以上の採択率が続いているところ、2023年のものづくり補助金は現行の採択率水準を下回る可能性もあるでしょう。
2023年ものづくり補助金のポイント:補助金額の変更
2023年のものづくり補助金では、補助金額が変わります。経産省のPR資料ではわかりにくいので、現行(2022年)と来年(2023年)の類型の比較をしてみました。赤字の部分が、現行から変わる部分です。
基本的には変わりませんが、まず通常枠、デジタル枠、グリーン枠、グローバル市場開拓枠(旧グローバル展開型)では、大幅な賃上げによって最大1,000万円の上乗せがあります。
「最大1,000万円」という表現ですので、おそらく賃上げの程度に応じて(もしくは従業員数に応じて)、上乗せ額が決まるのではないかと思われます。具体的な条件については、このPR資料からはわかりません。
そしてもう一つの変更は、グリーン枠の補助金額が最大4,000万円になったことです。現行のグリーンでは、従業員数が5人以下の場合は1,000万円、20人以下の場合は1,500万円、21人以上の場合は2,000万円です。2023年ものづくり補助金でも、おそらくこれと同じように従業員数に応じて補助上限が決まると思われますので、最大4,000万円は、従業員規模が最も多いクラスのケースだと想定されます。
2023年ものづくり補助金のポイント:海外でのブランド確立などの取組への支援を強化
PR資料を読むと「海外でのブランド確立などの取組への支援を強化」とも書いています。これはおそらく、グローバル市場開拓枠(旧グローバル展開型)において、何かしらの要件変更があるものと考えられます。
現行のグローバル展開型では、①海外直接投資、②海外市場開拓、③インバウンド市場開拓、④海外事業者との共同事業、のいずれかに合致する必要があります。「海外でのブランド確立」というキーワードと、先般閣議決定された総合経済対策では円安対策として輸出を推進することが述べられていることから、②の海外市場開拓(要は輸出)について何らかの措置が講じられるかもしれません。
ただし、現行のものづくり補助金グローバル展開の②類型「海外市場開拓」は、応募申請時に、具体的な想定顧客が分かる海外市場調査報告書、実績報告時に、想定顧客による試作品等の性能評価報告書を追加提出することが求められています。こうした書類の提出も、2023年のグローバル市場開拓枠で求められる可能性がありますので、ご注意ください。