おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
中小企業庁がものづくり補助金について「機械装置の納入時期について」という告知を出しました。それについてみていきたいと思います。
中小企業庁がものづくり補助金による機械装置の納期について注意喚起をしています
4月10日、鳥取県中小企業団体中央会が「機械装置の納入時期について【注意喚起】」という告知をしています。鳥取県だけではなく、各地の中央会が同じ告知文を掲載していますね。
注意喚起をするくらいなら、こんなタイトな補助事業実施期間を設定しないでほしいとは思いますが?、愚痴ってもしかたありませんね。
そもそもなぜ機械装置の納入時期はこんなにタイトなのか
中小企業庁の告知分にも書いていますが、工作機械メーカーの受注がものすごく増えているからですね。注文が殺到していて、さばききれないのです。そこに補助金が入ってきたものですから、メーカーとしても納期に神経を使っています。
それを裏づけるように、このような記事もありました。。
この記事中にある「工作機械の受注高」というグラフを見ると、右肩上がりに受注高が増えています。21世紀に入って最大レベルの受注量のようですね。
受注がさばききれない背景には、人手不足などもあるのではないか
このような工作機械メーカーに部品を供給しているのは中小企業です。おりからの人手不足により、サプライヤーである中小企業からの部品供給がスムーズではなく、その結果として最終製品の組立に時間がかかっているという可能性もありそうですね。
このあたりは日本経済の構造的な問題です。補助金を出して生産性を高めるくらいでは焼け石に水ではないかという気もします。
「一筆書いてほしい」という商社やメーカー
僕も様々な製造業にお邪魔をしていますが、工作機械の導入をするにあたり、商社やメーカーから「発注をすると一筆書いてください」ということを求められている企業が何社かありました。納入できる設備が不足しているために、ユーザーからの発注の確約がないと、設備を押さえておくことが難しいんでしょうね。
特に補助金の場合は「補助金がもらえるならば設備を買う」というスタンスの企業がいます。その考えを否定はしませんが、そのようなスタンスの企業の分まで、商社やメーカーは設備を押さえておく余裕はないのでしょう。ですから「一筆書いて、発注を確約してくれたら、設備を押さえておきます」ということをしているのでしょう。それだけ工作機械は足りない、ということです。
「補助金ありきの設備投資」ではリスクがある
「補助金がもらえるならば設備を買う」という、補助金ありきの設備投資は、今後ますますリスクが高まるでしょう。本来の経営計画や設備投資計画があり、そのスケジュールにたまたま補助金スケジュールが合致するので、補助金を活用するというスタンスがいいのでしょう。そうでないと、設備の確保も難しいですからね。
また、今回のものづくり補助金の支援している企業のなかで「やはり設備投資を止めます」といって、補助金へのチャレンジも止めた企業があります。理由は資金繰りです。補助金はお金がもらえる魅力的なものにうつりますが、補助金の支払いは後払いであり、あらかじめ設備資金の手当てが必要になります。ですので、資金繰りのめどがたっていないと、補助金そのものの活用も難しいのですね。
中長期の経営計画にそって、設備投資をご検討ください。補助金の魔力に惑わされないようにお願いしますね!