おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
被扶養者に異動があったときの手続きって、めったにやらないことなのでよくわかりませんよね。子どもを新たに扶養に入れる場合の「健康保険被扶養者(異動)届書」書き方について解説します。
「被扶養者(異動)届」とは何か
「被扶養者(異動)届」とは、社会保険や年金制度において、被扶養者の増減や状況の変化があった場合に提出することが求められる書類です。
わかりやすい例でいうと、下記の3つのようなことが起きた場合に提出が必要です。
- 扶養者を新たに追加する場合(結婚をして配偶者を扶養に入れるとか、子どもが生まれたので扶養に入れるとか)
- 既に扶養になっている者を削除する場合(子どもが就職したとか、パートをしている配偶者の年収が130万円を超えたとか)
- 既に扶養になっている者の記載事項に変更・訂正がある場合
いろんなケースで「被扶養者(異動)届」の作成・提出が必要ですが、今回のこの記事では、子どもを新たに扶養に入れる場合の「健康保険被扶養者(異動)届書」書き方について解説します。
届出の対象となる「被扶養者」について
「被扶養者」とは、社会保険や年金制度において、被保険者の家族や同居人などが扶養されているかどうかを判断する基準となる人物です。例えば協会けんぽ(全国健康保険協会)では、被扶養者の範囲を次のように定めています。
被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている人 ※これらの方は、必ずしも同居している必要はありません。
被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人 ※「同一の世帯」とは、同居して家計を共にしている状態をいいます。
① 被保険者の三親等以内の親族(1.に該当する人を除く)
② 被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
③ ②の配偶者が亡くなった後における父母および子
※ただし、後期高齢者医療制度の被保険者等である人は、除きます。
(協会けんぽホームページ「被扶養者とは?」より引用)
「被扶養者(異動)届」を提出するタイミングや必要な書類
異動の事象が発生してから5日以内に提出することが求められています。勤務先を経由して、管轄の年金事務所や健康保険組合等へ提出します。
必要な書類は、ケースに応じてたくさんありますが、全ての人が用意しなければならない書類は下記の通りです。
- 「被扶養者(異動)届」
- 続柄確認のための書類
- 被扶養者の戸籍謄本または戸籍抄本(被保険者との続柄がわかるもの)
- 住民票の写し(コピー不可・個人番号の記載のないもの)
- 収入要件確認のための書類 ※ただし16歳未満の子どもの場合は添付不要
ただし以下の2つの点をどちらも満たす場合は、続柄確認のための書類も不要です。(つまり16歳未満の子どもで、下記の2点を満たすならば、「被扶養者(異動)届だけでよい」)
- 被保険者と扶養認定を受ける方双方のマイナンバーが届書に記載されていること
- 扶養認定を受ける方の続柄が届書の記載と相違ないことを確認した旨を、事業主が「被扶養者(異動)届」に記載していること
なぜ「被扶養者(異動)届」の届出が必要か(届け出をしないデメリット、届け出のメリット)
「被扶養者(異動)届」のメリット
- 被扶養者が病気になったりけがをしたときや亡くなった場合、または、出産した場合に保険給付が行われる(3割負担の医療費で医療機関を受診できる)
- 被扶養者は保険料は収めなくてもよい
「被扶養者(異動)届」のデメリット
- 健康保険給付が行われません。(健康保険が使えないということなのでとてもまずい)
- 一般的には、一定以上の年収(106万円や130万円など)になると扶養から外れるため、扶養内で働こうと思ったら、その年収上限額を意識して働く量を調整する手間がありますが、16歳未満の子どもならばそのあたりのことは考慮する必要はなさそうです
「被扶養者(異動)届」の書き方
以下に記入例を使って、「健康保険被扶養者(異動)届書」の書き方を示します。なおこの例は、下記の2点を満たしていて、続柄確認のための書類が扶養となる場合の記入例です。
- 被保険者と扶養認定を受ける方双方のマイナンバーが届書に記載されている
- 扶養認定を受ける方の続柄が届書の記載と相違ないことを確認した旨を、事業主が「被扶養者(異動)届」に記載している
「被扶養者(異動)届」の申請方法・提出方法
「被扶養者(異動)届」の申請・提出は、サラリーマンであれば会社に提出をします。会社は日本年金機構(年金事務所)等に提出をする必要があります。
「被扶養者(異動)届」の提出後、保険証はいつ届く?
「被扶養者(異動)届」の提出後、保険証はいつ届くのでしょうか?これは健保組合や時期にもよりますが、協会けんぽの場合は下記のような流れで保険証の手続きが行われます。届出書の審査・登録に「2~3週間くらい」とのことですので、手元に届くまでには1ヶ月くらいはかかると想定しておいたほうがよさそうです。