おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
環境法令解説シリーズ、今回はEUの新しい規制である欧州森林破壊防止規則(EUDR)についてざっくりと解説をします。EUDRは森林破壊などを防ぐことで、地球温暖化の防止や生物多様性を守っていこうという趣旨の、欧州の「法律」です。今日はこのEUDRの概要と制定された背景を説明します。
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関連リンク
■■■EUDRに関するEU公式ページ(英語)■■■
■■■EU官報に掲載されたRegulation本文(英語)■■■
※規制対象原材料・製品リスト(Annex1)も上記URLから参照可能
■■■JETRO記事(日本語)■■■
EUDRの概要と制定された背景
わたしたちはよくコーヒーを飲みますよね。日本ではコーヒーはほぼ輸入で、主に、ブラジルやベトナム、コロンビアあたりで作られたものですね。そうした国々でのコーヒー栽培は大規模な農場で行われるのが一般的です。
もし、森林を切り開いて大きなコーヒー農場を作ったと聞くと、みなさんどう思うでしょうか。間接的ではありますが、私たちがコーヒーを飲むことで、森林伐採に手を貸しているとも言えますよね。
「でも美味しいコーヒーが飲めるからいいじゃない?」って思いたくもなりますが、森林伐採は地球温暖化を加速させるという問題があります。温暖化が進むと、大雨や干ばつが増えて、私たちの生活や食べ物にも影響が出てきます。森に住んでいる動物や、たくさんの植物も住む場所を失ってしまいますよね。それに、森林に頼って生活している先住民の人たちの暮らしも大きく影響を受けてしまいます。
コーヒーが好きなのは日本人だけではなく、ヨーロッパ人も相当です。だから日本も欧州も、間接的には森林伐採の一端を担っています。でも欧州は、それをどうにかしようと動いているんですよ。それがEUDRという規制なんですね。EUDRは「森林破壊の原因になっている可能性のある商品は売っちゃダメ」というルールです。
EUDRはEUTR(欧州木材規制)の後継規則
このEUDRというルールは、以前からあったEUTR(欧州木材規則)というルールを進化させたものです。もともとEUTRは、違法伐採された木材や木製品、紙などが市場に出ないようにするための規制です。でも、2024年12月30日からは、このEUTRは基本的に廃止され、EUDRがその役目を引き継ぐことになっています。違法伐採を防ぐという目的からもうちょっと広がって、森林破壊を防ぐという目的になりました。それにともなって、対象が木材から、コーヒーやカカオ、大豆などにも広がったというわけですね。
次回はEUDRの対象者と対象製品について解説をします。