おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
8月10日、事業再構築補助金事務局は、第11回公募の公募要領1.0版を公開しました。前版(10次公募1.5版)との違いを、2回にわけて解説します。(申請要件の変更を伴わない軽微な変更は、本記事では取り上げていません)
事業再構築補助金第11回公募 公募要領1.0版はこちら
事業再構築補助金第11回公募のスケジュール
- 公募開始:令和5年8月10日(金)
- 申請受付:調整中
- 応募締切:令和5年10月6日(金) 18時
- 採択発表:令和5年12月下旬~令和6年1月上旬頃
今回はサプライチェーン強靭化枠の公募がない(表紙)
表紙のほか、公募要領の随所にわたって書かれてていますが、今回の第11回公募では、サプライチェーン強靭化枠の公募がないようです。理由はわかりません。
金融機関確認書についての注釈が追加(p4)
金融機関確認書について「※複数の事業類型に同時に申請をする場合や、補助率引上げを受ける場合は、すべての補助金額を合算して3,000万円を超える案件において、金融機関による事業計画の確認が必要となります。」が追加になりました。(p4)
この補助金では、補助金額が3,000万円を超える場合は、金融機関に確認書を書いてもらわなければなりません。そして今回の変更では、卒業促進枠や大規模賃金引上促進枠に応募をする際の、補助金額3,000万円の考え方について明確になりました。あまり詳しくは説明しませんが、要は卒業促進枠や大規模賃金引上促進枠といった上乗せプランに応募をする場合も、すべての補助金額の合算が3,000万円を超えるならば、金融機関に確認書を書いてもらってね、ということです。
みなし同一法人についての注釈が追加(p10)
みなし同一法人について「また、補助事業者が、補助事業期間中に、親会社又は子会社等が過去に交付決定を受けているみなし同一法人に該当することとなった場合は、当該補助事業者の交付決定を取り消します。」が追加となりました。(p10)
みなし同一法人とは、法人名義は異なっていても、実態としては同じとみなされる会社のことを指します。いくつかパターンはありますが、例えば、法人Aという会社があったとします。この会社が、法人Bという会社の議決権の50%超を握っているとします。これは簡単にいうと、法人Aは法人Bの経営のことを、だいたいなんでも決められるくらい力を持っているということを意味します。このような場合、法人AとBは別法人ですが、実態としては同じなので、別々に補助金の申請ができないというルールですね。
今回の公募要領で言っているのは、補助金の申請時はみなし同一法人に該当しなかったけれども、その後、補助事業期間中にみなし同一法人になった場合は、交付決定を取り消すということですね。これもレアケースですが、該当事例でもあったんでしょうかね。
事業承継時の補助対象外要件に追加(p29)
「事業承継を行った上で事業を実施する場合に、承継以前の各事業者が既に実施している事業を実施するなど、再構築事業の内容が、容易に実施可能である事業 ※公募開始日時点で、事業承継が確定している場合、両者は2020 年4 月の時点から一体の事業者とみなし、事業承継先・事業承継元の双方の事業を既存事業として審査します。」が追加になりました(P29)。
平たく言うと、事業承継前の企業が既に実施している事業を、承継後の企業が実施することは対象外と明記されました。事業承継を行った企業は、承継元でも承継先でも、どちらもこの補助金に申請できます。しかし全く新しい取り組みでなければなりません。もともとこういうルールだったはずですが、違反事例があったためか、公募要領に明記されるようになったようです。
建物費についての注釈が追加(p33)
「※9 補助事業により取得した建物等を不動産賃貸等に転用することは、一切認められませんのでご注意ください。不動産賃貸等に転用された場合、目的外使用と判断し、残存簿価相当額等を国庫に返納いただく必要がございますのでご注意ください。」が追加になりました。(P33)
これも元々、補助金で取得した施設や建物を賃貸する取り組みは許可されていませんでした。これもやはり違反事例があったためか、改めて公募要領に明確に記述されたようです。
廃業費についての注釈が追加(p36)
産業構造転換枠に申請し、既存事業の廃止を行う場合のみが対象の経費として「廃業費」というものがあります。その中で、「解体費(既存の事業所や事業において所有していた建物・設備機器等を解体及び廃棄する際に支払われる経費)」赤字部分が追加になりました。(P36)
廃業に伴う産廃処理費などのことを指していると思われます。
解説は明日に続きます。