おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
9月下旬から、OpenAIが提供しているChatGPTに新しい機能が追加されました。それは「GPT-4V」といって、AIが画像を認識し、対話してくれるという機能です。この新機能を使い、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)のチェックをChatGPTにやってもらいました。
ChatGPTの新機能 画像分析「GPT-4V」とは
GPT-4Vとは、ChatGPTのユーザーが提供する画像をGPT-4に分析させることができる新しい機能です。これは、人工知能の研究で大切な新しい進歩としてみられているんだそうです(そりゃそうですよね)。
この技術により、従来の言語だけのシステムよりもさらに多様な方法での利用や、新しいタスクの解決が期待されれています。今回この記事で実験をする5Sのチェックも、従来の言語だけのChatGPTではできなかったことですもんね。
「GPT-4V」は、ChatGPTの有料サブスクリプション契約者でなければ使えないようです。
GPT-4V 実験その1:散らかった工場の写真を見せて問題点を指摘させる
というわけで早速、GPT-4Vを使い、散らかった工場の写真を見せて、5Sの問題点を指摘させてみました。
これに対する回答がこちら↓
この写真を5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の観点から評価すると、以下のような問題点が考えられます:
- 整理:多くのツールや部品がランダムに配置されているように見えます。不要なものと必要なものが区別されていない可能性があります。
- 整頓:アイテムが特定の場所に整頓されていないようです。例えば、テーブルの上に乱雑に置かれたツールや部品、地面に放置されているアイテムなどが見受けられます。
- 清掃:床にはゴミや汚れが散乱しているように見えます。これは作業の効率や安全性に影響を及ぼす可能性があります。
- 清潔:環境が乱雑であるため、定期的な清掃が行われていないか、行われても十分でない可能性が考えられます。機械や設備の周りも埃やゴミで汚れている可能性があります。
- しつけ:この写真からは直接的にはわかりませんが、従業員が5Sの重要性を理解しておらず、またそれを日常の習慣として取り入れていない可能性が考えられます。
以上のように、この工場の写真には5Sの原則に従っていない点がいくつか考えられます。これらの問題を改善することで、作業効率や安全性を向上させることができるでしょう。
ちゃんと5Sの意味を汲み取った返答をしているのがすごいですね。「しつけ」については、写真だけでは判断ができないと、評価を留保しているのが驚きです。人間だったら、安易に判断してしまいそうですよね。
GPT-4V 実験その2:散らかった工場の写真を見せて問題点を指摘させる&対策を考えさせる
似たような写真をもう1枚見せて、5Sの問題点を指摘させてみました。
これに対する回答はこちら↓
この写真を5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の観点から評価すると、以下のような問題点が考えられます:
- 整理:多くのアイテムがテーブルや椅子の上に積み重ねられているように見えます。これらのアイテムの中で、実際に必要なものと不要なものがしっかりと区別されているか疑問です。
- 整頓:アイテムが特定の場所に整頓されていないようです。ランダムに置かれた文房具や書類、ボックスなどが見受けられます。
- 清掃:テーブルや椅子の上に多くのアイテムが置かれているため、清掃が十分に行われていない可能性があります。
- 清潔:明確な汚れやゴミは写真からは確認できませんが、物が乱雑に置かれていることで、清潔な環境を維持するのが難しくなっている可能性があります。
- しつけ:この写真からはしつけの状態は直接的には判断できませんが、5Sの原則に基づいて物が管理されていない様子が伺えます。
この写真に写っているスペースは、一般的なオフィスや作業スペースとして見受けられるため、「工場」という文脈では少し違和感があります。しかし、5Sの原則は工場だけでなく、オフィスや家庭などのさまざまな環境でも適用することができます。この写真に基づいての上記の指摘を参考に、5Sの原則を実践して、効率的で快適な作業環境を作り上げることができるでしょう。
置いているものが工具なのか文具なのかは見分けがついているようですね。そして「工場じゃなくてオフィスの写真だろ」というツッコミもしてくれています。ただ、指摘の内容は実験1とそれほど変わりません。まあ、5Sの問題点って、どれも似たような指摘になりがちなので(いらないものがあるんじゃないかとか、定位置がないだとか)、変わらなくても仕方ないですけどね。
で、今度はこの状態をどう改善するかを聞いてみました。すると、次のように回答しました。
5Sの原則を実践してスペースを改善するための提案を以下に挙げます:
- 整理:
- 必要不可欠でないもの、または頻繁に使用しないものを特定します。
- 使用頻度が低いものや不要なものを捨てるか、他の場所に移動させます。
- 整頓:
- それぞれのアイテムに「居場所」を設定します。例えば、文房具は文房具トレイに、書類はファイルや書類棚に整頓します。
- ラベルを使用して、アイテムの所在地を明確にし、他の人が使った後も正しい場所に戻すことができるようにします。
- 清掃:
- テーブルや棚の上を日常的に拭き掃除します。
- 必要に応じて掃除のスケジュールを作成し、定期的に大掃除を実施します。
- 清掃道具を手の届く場所に収納して、必要な時にすぐに使えるようにします。
- 清潔:
- 整理・整頓・清掃を日常の習慣として維持し、新しい汚れや乱雑が発生しないように心がけます。
- 仕事の最後に数分間、作業スペースのクリーンアップを行う時間を設けると良いでしょう。
- しつけ:
- 5Sの原則に基づいて、日常のルーチンを定め、それを継続的に実施することの重要性を理解します。
- チームメンバーや同僚と共に5Sのルールやガイドラインを共有し、継続的な改善を目指します。
- 定期的に5Sのオーディットを実施して、改善の余地がないか確認します。
これらの提案を取り入れて5Sの原則を実践することで、効率的で快適な作業環境を維持・向上させることができます。
ちゃんと5Sの基礎というか、整理・整頓・清掃・清潔・しつけのそれぞれの意味がわかっているように感じられますね。しつけについても、人間だったら「何度も繰り返して教え込む」みたいなアイデアが出がちですけど、GTP-4Vの提案は、仕組みを作ることになっています。
GPT-4V 実験その3:問題点の指摘ではなく、よいか悪いかの評価をさせる
最後は、問題点の指摘ではなく、写真を見せて、それが5S的に良いか悪いかの評価をさせてみます。見せたのはこの写真で、「この工具は、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)ができているか、評価をしてください。」というプロンプトを投げてみました。
これに対する回答は次の通り。
この写真を5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の観点から評価すると、以下のように感じます:
- 整理:
- 各工具が専用の場所に配置されているように見えます。
- 不要なアイテムや重複しているアイテムが見当たらないため、整理が適切に行われていると評価できます。
- 整頓:
- 工具がサイズや形状ごとに整頓されており、迅速にアクセスできるように配置されています。
- ペグボードを利用して工具を吊るすことで、取り出しやすく、また戻しやすい状態になっています。
- 清掃:
- 写真からは工具やペグボードの表面に目立つ汚れやゴミが見当たりません。
- クリアな状態を保っていることが確認できます。
- 清潔:
- 工具や収納スペースがきれいに保たれていることから、定期的な清掃やメンテナンスが行われていると考えられます。
- 工具に付着する油や汚れも適切に取り除かれているようです。
- しつけ:
- この写真だけから直接的な判断は難しいですが、整理・整頓・清掃・清潔の状態が良好であることから、使用者が5Sの原則を理解し、継続的に実践していると推測できます。
総評として、この写真に写る工具の収納・管理は5Sの原則に基づいて適切に行われていると評価できます。
ということで、「よくできている」という評価をもらいました😊
もうこれは「コンサルいらず」ですね
現場のどこにどんな5Sの問題点があるのかという判断については、もうコンサルなどに頼まなくても、GTP-4Vで問題なくできそうですね。むしろこれを使って自分たちで5Sを進めることができそうです。
5Sについてのコンサルの役割がまだ残されているとすれば、それは、その会社の実態にあわせて、5Sが継続する仕組みや仕掛けに対して提案をすることでしょうかね。単に現場を見て「きれい」とか「きたない」とかをいうだけならば、コンサルいらずですね。