おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
2月8日、兵庫県は令和6年度当初予算案を公開しました。このうち中小企業向けの施策について解説をします。
兵庫県 令和6年度当初予算案はこちら
中小企業・地場産業等のSDGs取組等の支援(ひょうご産業SDGs認証事業)
兵庫県には「ひょうご産業SDGs推進宣言企業」と「ひょうご産業SDGs認証事業」という2つの中小企業向けSDGs促進事業があります。「ひょうご産業SDGs推進宣言企業」をレベルアップさせて、「ひょうご産業SDGs認証事業」にしようという位置づけです。そのうち「ひょうご産業SDGs認証事業」の内容が拡充されます。
- 宣言企業のステップアップ支援
- ゴールド企業の先進的な取組やアドバンスト・スタンダード企業の優良な取組等をまとめたデジタルブックを作成
- インセンティブ制度の拡充
- オンラインSDGsプラットフォームへの参画・SDGs関連の展示会への出展料補助(アドバンストステージ:補助率1/3、ゴールドステージ:補助率1/2)
- ひょうごSDGs経営大賞の創設
- 次世代ひょうご企業のロールモデルとなるような企業経営者を表彰
ひょうごTECHイノベーションプロジェクト(複合枠の創設)
ひょうごTECHイノベーションプロジェクトとは、兵庫県内から集めた地域課題、行政課題に対して、技術やノウハウを持った民間事業者から解決策を広く募集する制度です。選定した実証プロジェクトに対しては実証費用の一部を負担します。つまり、行政課題と紐づけられた補助金制度ですね。令和5年度は、自治会活動に関する作業負担の軽減とか未婚率の減少などの行政課題に対する取り組みが選定されました。
- 補助要件:市町の課題に対し、自社の技術で課題解決に取り組む複数の事業者を支援
奨学金返済支援制度
若者が地元で働き、長く住み続けることを促すために、奨学金の返済で困っている従業員を持つ会社に援助をする制度です。この支援はこれまでもありましたが、対象従業員の年齢と支援の期間などが拡充されます。
- 補助対象企業:本社が県内にある中小企業・社会福祉法人等
- 対象従業員:日本学生支援機構の奨学金受給者、県内事業所に勤務する正社員、40歳未満の者
- 補助期間対象者1人あたり最大17年間(10年と17年の新たに追加)
- 補助額:年間返済額の2/3(上限12万円)
これは本当によい制度だと思います。できればSDGs宣言とか認証のような条件はつけずに、一律に17年補助ができるのがいいんでしょうけど。
中小企業向け制度融資
銀行や兵庫県信用保証協会と一緒に協力して、中小企業が必要とする資金を低利で提供する制度です。いわゆる「セーフティネット保証」に関する予算です。令和5年度が融資枠5,000億円だったのに対し、1,000億円減少します。(おそらくコロナ対策の意味合いが薄れたためと思われます)
- 令和6年度融資枠:4,000億円
- 長引く物価高騰・円安や人手不足に加え、ダイハツ工業㈱の生産停止や能登半島地震の影響など先行き不透明要素もあることから、中小企業者の資金需要に柔軟に対応できる融資枠を確保
- 災害対応貸付の常設化
- 頻発する自然災害に迅速に対応するため、災害対応貸付を常設化するとともに、県内市町が災害救助法の指定を受けた際に金融特別相談窓口を自動設置