おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
仕事で何か間違いや問題が起きたときに、それを直すための対策のことを「是正処置」といいます。「是正処置」について、どんなやり方をするべきなのか、よい是正処置とはどういうものなのかについて解説します。
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はじめての是正処置 問題の再発防止はこう考えればうまくいく!(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 仕事で何か間違いや問題が起きたときに、それを直すための対策のことを「是正処置」といいます。「是正処置」について、どんなやり方をするべき ...
具体例を使った是正処置と修正の違い
是正処置と修正の違いを、例を使って説明してみましょう。
「最終検査で、ある製品の寸法が一般公差から逸脱していた」という問題が起きたとしましょう。まずはこの不良の状態をなんとかしないといけませんので、一般公差内に収まるように、もう一度加工をし直しました。これが修正です。
次に、再発防止のためにこの問題の原因を探っていくわけですが、まずは表面的な原因から調べます。これは問題を引き起こした直接のきっかけとなる原因です。直接的な原因を考える時は、人の切り口や、機械の切り口、そして材料、作業方法、測定、環境の切り口で考えるのがよいでしょう。
そしてこの例では、どうやら「人」の切り口に原因がありそうだと目星がつきました。でも「人」といってもいろいろあります。「スキルや経験不足」かもしれないし「体調不良」かもしれません。これもまた、調査した情報をもとに「これは違うな」というものを消していって、「スキルや経験不足」が怪しいということになりました。
じゃあ次は「スキルや経験不足」がなぜ起きたのかを掘り下げていきます。これを繰り返していって「もうこれ以上はないな」というところまでたどり着いたものが根本原因です。この例では「売上や納期を優先する社風がある」というのが根本原因だとわかりました。
こうした根本原因に手を打たなければ、いつまでたっても、同じことが繰り返されてしまいます。売上や納期を優先したまま、無理に育成プログラムを組んだとしても、それが実行される保証はないですし、無理に実行したら従業員が疲弊しかねません。
ですので、根本原因に対して手を打たなければならないのです。根本原因への対策は、売上や納期を優先するのではなく、育成に重きを置くように会社(トップ)の方針を見直すことです。そのうえで育成プログラムを策定し、実際に育成を手掛けることが、是正処置になります。
よくある不十分な是正処置の例
このように是正処置とは、根本原因に対処して問題の再発を防ぐ手段なのですが、忙しい現場の皆さんが、適切な是正処置を検討することはなかなか難しいんですよね。実際に、よくある不十分な是正処置の例を3つご覧いただきたいと思います。
最初の例は、「修正のレベルにとどまっている」ケースです。例えば「再加工しました」というのは、先程も見たように修正にすぎないのですが、これを是正処置として扱うのはよくありません。修正はあくまでも応急処置であって、一時的に問題を解消してはくれますが、根本原因への対策とは異なります。
次に「原因に対する対策になっていない」というケースです。たとえば「機械の老朽化が原因です」と分析したにも関わらず、「教育訓練を行います」と報告する場合がこれに当たります。機械の老朽化が原因であれば、設備の更新や修繕が適切な是正処置となります。是正処置は、問題の原因を直接的に解消するものでなければなりません。
最後に、「歯止めになっていない」というケースです。例えば「周知徹底します」や「以後、注意します」「教育訓練します」といった対策を是正処置として挙げるケースですね。これらは一時的な効果はあるかもしれませんが、再発防止を保証するものではありません。真の是正処置は、問題が繰り返されないように長期的な効果を持つ対策でなければいけませんね。