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(製造業編)5Sのネタとして「安全の見える化」をしよう!(2)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

5S活動や現場改善のネタに困ってませんか?2回にわたり「5Sのネタとして安全の見える化をしよう!」というテーマでお話をしたいと思います。実際の現場の事例を紹介しますので、5Sや改善活動のネタとして、是非参考にしてください。

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(製造業編)5Sのネタとして「安全の見える化」をしよう!(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 5S活動や現場改善のネタに困ってませんか?2回にわたり「5Sのネタとして安全の見える化をしよう!」というテーマでお話をしたいと思います ...

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資格が必要な作業者の見える化

次の事例にいきましょう。フォークリフトもそうですが、玉掛け作業やガス溶接作業のように、技能講習を受けないとできない作業や、免許が必要な作業ってありますよね。必要最低限の知識がないと事故や健康被害のリスクが高い作業は、そうした資格が必要です。(労働安全衛生法第61条・労働安全衛生法規則第41条等)

そこで、ちゃんと有資格者が、作業していることを遠くからでも確認できるように「見える化」します。その方法として、有資格者のヘルメットに色テープやバンドを取り付けて資格保持者を「見える化」するわけですね。

資格ステッカーもネットとかで買えますが、色テープやバンドの方が遠くからでも確認しやすくて便利じゃないかなと思います。これは表示を作る改善にあたるので、5Sの「整頓」に該当します。

玉掛け吊り具やワイヤーを間違えないよう色で管理

続いては、玉掛け吊り具やワイヤーを色で管理する事例です。玉掛けする時には、吊り荷に対して適切な吊り具を使用する必要がありますよね。太すぎると重くて扱いづらくなりますし、細すぎるとワイヤーが切れて吊り荷が落下するリスクがあります。(労働安全衛生規則第469条等)

そこで、表示の色と吊り具やワイヤーロープの色を同じにして、間違いを防ぎます。これにより、間違いが減り、使用後も正しい場所に戻しやすくなります。

これも置き場を決めて表示を作る改善なので、5Sの「整頓」に該当します。

化学物質の危険有害性等に関するラベルや掲示づくり

続いては、化学物質に関する事例です。2023年4月から、リスクアセスメントの対象となっている化学物質の表示義務が強化されました。(労働安全衛生規則第33条2項)。

例えば、小分けにした瓶や一斗缶にも、その化学物質の名称や人体に及ぼす作用を示す絵表示をラベルに記載しなければなりません。こうした表示を5Sの一環としてしっかり作ることは、法律と現場の皆さんの安全を守ることにも繋がります。

また、SDSは作業場の見やすい場所に掲示や備え付けることが法律で求められていますが(労働安全衛生法第57条、労働安全衛生規則第34条2の8)、多いものだと20ページくらいのボリュームがあって、緊急時に読んでいられないですよね。そこで、備え付けのSDSの他に、危険有害性や応急処置の方法、取扱方法をわかりやすくまとめた掲示を作る、というのも有効な取り組みだと思います。

これも表示を作るという点で、「整頓」に関する5Sでしょう。

ものの積み上げ高さ制限の見える化

次の事例です。現場や倉庫で、製品や仕掛品を運搬するコンテナ、番重、空きパレットを積むことがあると思います。高く積むと、積み上げたり下ろしたりする作業中に荷崩れが起きる可能性があります。また、積むものによっては、高さ2m以上に積んで、人が積み下ろしをする場合は、「はい作業主任者」の技能講習を受けた人が行う必要が、法律上あります。(労働安全衛生規則第428条、431条等)

荷崩れや法令違反のリスクを避けるために、「ここまでしか積んではいけない」という表示を、柱や壁などに作って掲示します。これにより、積んでよい高さが一目でわかるようになります。

これは表示を作る改善なので、5Sの「整頓」に該当しますが、決めたことを守る習慣をつける点では5Sの「しつけ」にも効果があります。

クレーン使用後の停止位置見える化

続いても、決めたことを守る「しつけ」に関連する事例です。

ホイストクレーンを使ったあとは、作業者がフックに頭をぶつけないように、適切な停止位置に戻す必要がありますよね。一般的には床面から2m以上とすることが多いと思いますが、その2mの目印を、フックと常に一緒に動く押しボタンスイッチのケーブルに、色テープを貼って示します。。こうすると、フックを2mの停止位置に戻しやすくなる、という仕組みですね。

2回にわたって「安全の見える化」事例をご紹介しましたが、このような事例は、ヒヤリハットの事例や、リスクアセスメントをする際の危険源の発見にも役立つんじゃないかと思います。

このような事例は、厚労省や地域の労働局のホームページでもたくさん見つけることができます。そうした事例もぜひ参考にしてください。

  • B!

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