おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
EUのAI規制法案である"EU AI Act"に関して、6/10時点での最新情報を、かいつまんでお伝えします。EU AI Act(AI法)が加盟国の承認を受け正式に成立しました。(情報源は、The EU AI Act Newsletter #54です)。
AIオフィスが派遣国家専門家を募集
AIオフィスは、イノベーション、監督および執行の任務を遂行できる派遣国家専門家を募集しています。(このAIオフィスとは、①EU AI規制法の実施(特に汎用AIに関して)、②信頼できるAIの開発と利用の促進、③国際協力の促進の3点を中心に行う機関です。)
2月頃から人材の募集を行ってきていますが、まだ募集を続けているということは、人材の獲得は難航しているのかもしれません。まあAIに関する知識が豊富な人など、市場にもそんなにいないでしょうから、難航するのは仕方がないことかもしれません。
AIオフィスの組織構造も発表に
AIオフィスは以下の部門で構成される予定であることが公表されたようです。
- AI法の均一な適用を確保するための規制および遵守部門
- 非常に有能な汎用モデルのリスクと緩和策を特定するAI安全部門
- 研究開発を支援するAIとロボティクスの卓越性部門
- 有益なAIプロジェクトに取り組むAI for Societal Good部門
- 投資、AIの導入および規制のサンドボックスを含むEU AI戦略を監督するAIイノベーションと政策調整部門
部門は部門長と科学および国際問題の専門家によって指導され、技術、法律、政策、経済の専門家を含む140人以上のスタッフを雇用する予定とのことです。
なお、このAIオフィスは、EU AI法を執行し、開発者や専門家と協力して行動規範を策定し、加盟国や利害関係者と協力します。組織変更は6月16日に発効し、AI委員会は6月末までに開催される予定のようです。
AIオフィスは、AI法の発効後6か月以内にAIシステムの定義と禁止に関するガイドラインを発表し、発効後9か月以内に汎用AIモデルの行動規範を発表する予定でもあるようです。