おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
6月25日、中小企業省力化投資補助金の応募・交付申請の受付が開始されました。これにともなって公募要領も改定され、提出書類についても明らかになりました。時間外労働時間と従業員減少の確認用の提出書類について見てみます。
中小企業省力化投資補助金 公募要領と改訂履歴はこちら
中小企業省力化投資補助金提出書類
公募要領第2版では、提出書類が明確にされました。それにともなって、補助金の応募・交付申請時に必要な指定様式として、5つの指定様式も公開されました。
① 全事業者共通
- 【指定様式】従業員名簿(中小企業判定用)
- 損益計算書(前期分)
- 損益計算書(前々期分)
- 貸借対照表(前期・前々期分)
② 法人
- 履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの)
- 法人税の納税証明書(その2)直近3期分
- 【指定様式】役員名簿
- 【指定様式】株主・出資者名簿
③ 個人
- 確定申告書の控え 第一表(直近1期分)
- 所得税の納税証明書(その2)(直近1期分)
④ 3-2.(2)に記載する人手不足に関する書類(回答により以下のいずれか1つ)
- 【指定様式】時間外労働時間
- 【指定様式】従業員減少の確認用
- 求人サイトのキャプチャ等(申請日から1年以内の求人情報
⑤ 賃上げに関する書類
- 事業場内で働く最低賃金者の賃金台帳
⑥ 3-2.(3)に記載する事業計画に関する書類
- 【指定様式】省力化効果判定シート
納税証明書(その2)とは?
納税証明書(その2) とは、所得金額証明のための書類です。e-Taxや郵送、または税務署窓口で請求をしなければなりません。
ぼくの知る限りでは、納税証明書を補助金の申請に添付するというのはあまり例がないのではないかと思います。これはおそらくですが、みなし大企業ではないかどうかを判定するための記録だと思います。(公募要領P10の補助対象外事業者として、交付申請時点において、確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者が挙げられていますので、これの確認だと思われます)
【指定様式】時間外労働時間
人手不足状態であることの定義として「①限られた人手で業務を遂行するため、直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えている。」という要件があります。これを証明するために、以下のような指定様式が公開されました。申請月の前月の、全従業員の時間外労働時間を申告する様式です。
これ以外にエビデンスは求められていないので当然自己申告でしょうが、公募要領P16にある実地検査や立入検査の際に、勤怠管理表の確認が求められる可能性もありますので、誠実に記入をしてください。
その際に、36協定を締結していない、もしくは36協定の上限を超えた時間外労働をしているかどうか、または時間外労働に対する割増賃金の支払実績も確認される可能性はゼロではありません。必ず法を守った運用をしてください。
【指定様式】従業員減少の確認用
人手不足状態であることの定義として「②整理解雇に依らない離職・退職によって従業員が前年度比で5%以上減少している。」という要件があります。これを証明するために、以下のような指定様式が公開されました。交付申請日の前月末の在籍人数が、前年同月と比べて5%以上減少していることを申告する様式です。
ちなみに退職事由は「自主退職」のほか「契約満了」「解雇」をプルダウンで選択できますが、「解雇」を選ぶと減少率に反映されないようです。(つまり解雇によって従業員が減ったとしても、それは対象外になる)
これも立入検査等の際に、労働基準法第107条で求められている従業員名簿の確認が求められる可能性があります。