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経済産業政策新機軸部会資料にみる2040年までの中小企業政策

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

2024年6月7日、 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会は第3次中間整理として、中長期(2040年まで)において検討が必要となる施策をまとめました。どのような中小企業政策が2040年に向けて行われるのか、確認したいと思います。

「経済産業政策新機軸部会第3次中間整理の概要」資料はこちら

中長期(2040年まで)における中小企業政策の全体像について

 

2040年の世界的なマクロ経済動向が正確に予測できるわけもないので、あくまでも現在の延長線で考えられたものに過ぎませんが、「経済産業政策新機軸部会第3次中間整理の概要」によると、以下のようなキーワードが中小企業政策として見受けられます。

  • 特に中堅・中小企業の構造転換を促進すべく、成長志向の中堅・中小企業の後押しを強化する方向で、予算・税制等の関連政策について見直しを行う
  • 賃上げや働き方改革による良質な雇用を実現できる地域の中堅・中小企業を育成し、更なる成長軌道に乗せる。

要は成長(拡大)志向の企業を支援するということですね。まあ、これまでの中小企業政策とあまり変わりがありません。一方で中小企業は中堅企業とセットで語られています。政府はいま、中堅企業にものすごく期待をかけていますので、支援の重点も(当面は)中堅企業に置かれるのではないかと推測します。

各分野(ミクロ)の主要施策について

では、2040年に向けて、今後どのような施策が検討されるのか、資料のP24以降で、中小企業に関連する部分を抜き出してみましょう。

GX(グリーンイノベーション)

  • 中堅・中小企業のGX推進、GXスタートアップ支援、地域・くらしのGX推進

グローバル・経済安全保障

  • 貿易DXに向けた他省庁と連携したアクションプランの策定、地域の中堅中小企業を支える輸出支援ビジネスモデルの支援措置の検討等

地域の包摂的成長

  • 地域における重点的な投資支援や成長志向の中堅・中小企業に対する後押しを強化する方向で、予算・税制等の関連政策について見直しを実施
  • 事業転換支援、省力化投資支援、生産性向上、事業承継・M&Aを機とした変革の推進等
  • 下請代金法の執行力の強化(公取委・事業所管省庁との執行連携等)、官公需における労務費等の価格転嫁の徹底等による価格転嫁の強化策を検討
  • 地域に根差した中小企業が、多様な価値観を受け入れ、女性・若者のニーズを捉えた誰もが働きやすい企業経営を実現するための支援を実施

ここでいう「事業転換支援、省力化投資支援、生産性向上、事業承継・M&Aを機とした変革の推進等」とは、おなじみの中小企業向け補助金のことだと思われます。2040年まで続けるつもりなんでしょうかね。

人材

  • 時間的制約のある労働者の活躍支援、中小企業等向けの人材活用ガイドラインの普及、省力化投資の促進
  • 中小企業の価格転嫁対策・取引適正化の推進、中小企業の生産性向上支援、強化した賃上げ促進税制の周知・広報

2040年には2040年の風が吹いているはずなので、これがそのまま2040年までに行われる保証はありません。ただ、今の政府はこのようなことを考えているようです。

2040年にはぼくは66歳かあ。もう引退していたいなあ……。

  • B!

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