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ISO45001:2018 8.1.3 変更が事故を招く?変更管理プロセスとは何か(2)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISO45001:2018 各箇条解説シリーズ、箇条8.1.3「変更の管理」について解説します。仕事をするうえでは、何かを変更したときには事故や不具合、問題が起きやすいものです。変更にまつわる事故を防ぐにはどうすればいいでしょうか?

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ISO45001:2018 8.1.3 変更が事故を招く?変更管理プロセスとは何か(1)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 ISO45001:2018 各箇条解説シリーズ、箇条8.1.3「変更の管理」について解説します。仕事をするうえでは、何かを変更したとき ...

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労災事故を防ぐには、どのような変更管理をすべきか

前回は、ゴム製品製造業の集塵機での労災事故事例を見ましたが、この労災事故を防ぐには、どのような変更管理をすべきだったのでしょうか。以下の図は、突発的に変更が発生した場合の変更管理プロセスの例です。

まず、状況の確認から始めます。今回は集塵機の劣化状態や、集塵機の底の鉄板の状態などをしっかりと確認することが重要です。

次に、鉄板を外す場合のリスクを評価します。作業中に鉄板が外れる可能性があるのか、外れた場合に作業中の従業員にどの程度の被害が生じるのかといったことについて検討をします。

そしてリスク評価に基づいて、鉄板を外して安全に作業をするための具体的な手順を明確にします。

策定した手順は、上司や安全管理者などに報告し、承認を得る必要があります。

その後、承認された手順を作業者に具体的に指示して、実際の作業に移ります。

安全が確保されているかどうかといった作業進行状況を常にモニタリングし、異常が発生した場合は即座に対応します。

最後に、作業が完了した後、実施内容をレビューします。完了後に問題点や改善点を特定し、次回の作業に活かすためのフィードバックを収集します。これにより、先程見たような労災事故を未然に防ぎ、作業者の安全を確保しつつ、効率的に作業を進めることができる、というわけですね。

このような一連の作業が「変更管理のプロセス」です。

箇条8.1.3の規格要求事項

では箇条8.1.3の規格要求事項を見てみましょう。

まず「組織は、次の事項を含む、労働安全衛生パフォーマンスに影響を及ぼす、計画的、暫定的及び永続的変更の実施並びに管理のためのプロセスを確立しなければならない。」という一文ですが、これは変更管理のプロセスを確立しなさいと言っています。

変更管理のプロセスは、上記の図でお見せしたようなプロセスをイメージしてください。そしてa)からd)のような変更が行われる場合は、変更管理のプロセスを実施しなさい、ということです。

これはどういうことなのかは、次回、具体例を交えて説明をします。

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