おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISO45001:2018各箇条解説シリーズ、今回は箇条8.1.4「調達」について説明します。会社で調達や外注を行う時に、安全や健康面でリスクが生じる場合があります。そのようなリスクに調達段階でどのように対処すべきなのでしょうか?
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ISO45001:2018 8.1.4 その調達や外注が事故の原因に?調達プロセスの安全対策(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 ISO45001:2018各箇条解説シリーズ、今回は箇条8.1.4「調達」について説明します。会社で調達や外注を行う時に、安全や健康面 ...
労働安全衛生リスクに対処するための調達プロセス
労働安全衛生リスクに対処するために、調達ではどのような対応が必要でしょうか。有機溶剤を新たに調達する場合のプロセス例をご覧いただきたいと思います。
まず、調達準備の段階では、購入予定の有機溶剤のSDSを確認したり、信頼できるサプライヤーかどうかを、過去の実績や提供される情報などに基づいて確認します。
続いて、有機溶剤のリスク分析をします。ここでは、有機溶剤が職場に導入された際に発生しうる危険源を特定し、そのリスクを評価します。
その結果に基づいて、リスク低減策や回避策を決定します。例えば、適切な保護具の選定や局所排気装置の導入などが考えられるでしょう。
対策が決まったら、サプライヤーに対して発注を行い、納品してもらいます。納品時には受入検査を行い、品名や数量などを確認します。
次に、事前に決定したリスク対策を実施します。例えば、換気設備の運用や防護具の適切な使用などですね。
有機溶剤を再購入する時には、納期遵守率や品質などのパフォーマンスを再評価します。最後に、調達プロセス全体を振り返り、必要に応じてプロセスを改善します。
このように、有機溶剤が職場で安全に使用できるように、調達プロセス全体で対処するというのが、労働安全衛生上の調達プロセスのイメージです。
なお、こうしたプロセスにそって調達を行う場合には、調達先を評価する基準を決める必要があります。調達先を評価する基準としては、一般的にはQCD(品質・コスト・納期)がありますが、この規格は労働安全衛生マネジメントシステムについての規格ですので、安全衛生面での基準も設けることが望ましいでしょう。
安全衛生面での調達基準は、例えば、調達先がISO45001の認証を取得しているかどうかや、過去の労働災害の発生状況、安全衛生に対する体制が確立しているかどうかといったことが考えられるでしょう。
8.1.4.1「一般」
では箇条8.1.4の規格要求事項をみて見てみましょう。
まず8.1.4.1「一般」です。これは、材料や資材などのサプライヤーはもちろんですが、この後に説明をする請負者や外部委託業者など、あらゆる調達先に関する要求事項です。
短い要求事項ですが、調達を管理するプロセスを確立し、実施し、維持をしなさいと言っています。先程お見せしたようなプロセスを社内で作って実施し、そのプロセスが機能する状態で維持し続けることを求めています。
次回は箇条8.1.4.2と8.1.4.3の解説をします。