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不適合が発生した場合、是正処置は必須なの?任意なの?

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

ISOマネジメントシステムでは、不適合が発生した場合に原因を究明し、是正処置を取るのが一般的です。では、この「是正処置」は必須なのでしょうか?それとも任意なのでしょうか?

規格には是正処置についてどう書いてある?

ISO 9001:2015の10.2.1(b)には、次のように書かれています:

b) その不適合が再発又は他のところで発生しないようにするため、次の事項によって、その不適合の原因を除去するための処置をとる必要性を評価する。

1) その不適合をレビューし、分析する。

2) その不適合の原因を明確にする。

3) 類似の不適合の有無、又はそれが発生する可能性を明確にする。

この文章を読むと、まず評価が必要であり、その結果に応じて是正処置を取るかどうかが決まります。つまり、評価の結果次第で是正処置が不要と判断されることもあり得るのです。

ということなので、「是正処置」をとることは必須ではなく、任意である(評価の結果、是正処置が不要と判断される場合がある)というのが、今日の記事の結論になりますね。

是正処置は「任意」といっても内容次第

「是正処置が任意」というと運用が楽になるように思えますが、単純にそうとは言い切れません。すべての不適合を「任意だから」と無視してしまうと、リスクが高まります。

例えば、是正処置が不要とされる可能性があるケースとしては:

  • 不可抗力による不適合

例:「100年に1度の太陽フレアでGPSが不安定になり、自律走行車が事故を起こした」など、再発リスクが極めて低く、対策の取りようがない場合。

  • 顧客要求に関係しない軽微な不適合

例:署名や日付の抜けなど、品質に影響がない書類上の不備。

  • 影響が極めて限定的な不適合

例:製造工程の一部で軽微なミスがあったが、出荷前に修正され、製品には影響がなかった場合。

ただし、これらの軽微な不適合も将来の重大な問題につながる可能性があるため、是正処置を取らないのが本当にいいかどうかは、慎重に判断する必要があります。

是正処置をとらない基準を明確にしたり、とらない理由を記録するのが望ましい

是正処置が「任意」だとすると、その判断が恣意的にならないよう、是正処置をとらない基準を明確にしたり、とらない理由を記録するのが望ましいでしょうね。これにより、運用が恣意的にならず、一貫性が保たれます。

これまで見てきたように、ISOの規格上は「評価の結果、是正処置が不要となることもあり得る」というのが結論ですが、実務的には是正処置を必須とする方が運用は楽になるんじゃないかと思いますね。そのうえで、不可抗力や極軽微な不適合の場合の是正処置は、ほどほどのレベルにしておくということも、現実的な対応策の一つでしょうね。

  • B!

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