おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
世間ではよく「現場のことを全然理解してない」とか「机上の空論ばっかり」みたいに言われるコンサルという仕事ですが、どうしてそんなに嫌われているのでしょうか?組織開発の大御所、エドガー・シャイン博士が提唱した「3つのコンサルティングスタイル」を紹介しながら、なぜコンサルが嫌われがちなのか、どうすればコンサルをうまく使いこなせるのかを考えていきたいと思います。
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コンサルはなぜ嫌われる?現場とのギャップはこう埋める!(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 世間ではよく「現場のことを全然理解してない」とか「机上の空論ばっかり」みたいに言われるコンサルという仕事ですが、どうしてそんなに嫌われ ...
3つのコンサルティングスタイル
シャイン博士によると、コンサルティングには大きく3つの種類があるとされています。1つ目が「情報購入型」のコンサルティング、2つ目が「医師・患者型」のコンサルティング、そして3つ目が「プロセス・コンサルテーション」です。
この3つのコンサルティングスタイルの違いについてまずは見てみましょう。
最初は「情報購入型」です。これは、クライアントが自分で「何が問題か」「どう解決すればいいか」を理解している場合です。たとえば、売上が落ちた原因が「Webの集客不足」だとわかっていて、「SEO対策を強化しなきゃ」と考えているときですね。そんなときは、SEOに詳しいコンサルを呼んで、その知識や経験をお金で買うわけです。SEOコンサルだけではなく、補助金申請や採用支援、SNS、ISOコンサルも、このタイプに当たるでしょう。
次が「医師・患者型」です。これは、クライアントが「うまくいっていない」という症状はわかっているけど、原因や解決策はわからない場合ですね。たとえば、「売上が下がってるけど、何が原因なのかわからない…」という状況です。このときは、原因を診断して、解決策まで提案してくれるコンサルを呼ぶことになります。Big4を筆頭とする、いわゆる戦略コンサルがこのタイプですね(まあ、戦略コンサルもいろいろあって、最近ではプロジェクトのアウトソーシングみたいなものもありますけど)。
そして最後が「プロセス・コンサルテーション」です。これが一番馴染み薄いかもしれません。ここでは、クライアントとコンサルが一緒に原因や解決策を探していく形になります。どちらか一方が答えを持っているわけではなく、協力しながらお互いに納得できる解決策を導き出すのがポイントです。もちろん、情報購入型や医師・患者型でもクライアントとコンサルの協力は必要ですが、プロセス・コンサルテーションはもっと現場に寄り添い、時間をかけて関係者と対話しながら進めるのが特徴です。コンサルの世界では、これを「伴走型」と呼んだりもします。
ただ、世の中のコンサルティングは1番か2番が圧倒的に多いのが現実です。コンサルが主導で解決策を決めて、指示を出して短期的な成果を求める、という流れですね。ほとんどの人が「コンサル」と聞いてイメージするのは、この「情報購入型」か「医師・患者型」でしょうけど、このスタイルだと現場からは「また勝手に決めて押し付けてきたな…」と思われがちです。そうしてコンサルに対して不信感や拒否感を持つ人が増えるわけです。
ちなみにこの3つの種類を定義したシャイン博士は、3のプロセス・コンサルテーションを基本にして、必要に応じて1をしたり2をしたりするのがよい、と言っています。
次回は、コンサルが失敗してしまう原因と、社内で軋轢をうまずにコンサルを活用するにはどうすればいいかについて解説します。