おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
最近、二酸化炭素の排出量の算定を取引先から求められるケースが、中小企業でも見られるようになりました。今回はスコープ3の重要性と算定方法の概略をお話します。
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スコープ3の二酸化炭素排出量とは何か?なぜスコープ3が重要なのか?(1)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 最近、二酸化炭素の排出量の算定を取引先から求められるケースが、中小企業でも見られるようになりました。排出量算定で最も厄介なのが「スコー ...
スコープ3の排出量を測ることはなぜ重要なの?
スコープ3の排出量を測ることで、次のようなことがわかるからですね。
どこで一番多くの排出が起こっているのかを把握できる
スコープ3には15のカテゴリーがありますが、カテゴリーごとに算定をすると、どこ(どの活動領域)で一番多くの排出が起こっているのかを把握することができます。それに基づいて、どの部分を優先的に改善すればよいかを決めることができます。
サプライヤーの二酸化炭素排出量削減活動の評価ができる
ここでいうサプライヤーとは、自社から見た調達先や委託先、調達に関する運送業者、協力会社などのことです。スコープ3のカテゴリー1,2,4,8では、調達や委託に関して、どの程度二酸化炭素を排出しているかが明確になります。これによって、自社のサプライヤーが環境に与えている影響を知ることができます。
環境負荷の高いサプライヤーに対して指導をしたり、取引を見直したりすることによって、自社の二酸化炭素排出量を減らすことができます。
大企業が中小企業に対して、二酸化炭素排出量の算定と削減活動を求める背景には、これがあります。大企業のスコープ3における排出量を減らすためには、大企業から見てサプライヤーに該当する中小企業に対して、二酸化炭素排出量の測定や削減を求めることが必要だからですね。
どうやってスコープ3の排出量を測るのか?
前回も説明したように、スコープ3は、会社が自分で出す二酸化炭素でなく、会社が使うものや他の会社との協力によって出る二酸化炭素の排出量を、全部合わせて計算するものです。これにより、サプライチェーン全体での環境への影響を把握でき、他の会社やお客さんとも協力しながら、二酸化炭素の排出を減らすための取り組みをするんでしたよね。
スコープ3の算定では、「活動量」と「排出原単位」を使って計算します。活動量は「どれくらいの量や金額、距離」など、何がどれだけ行われたかを表すものです。一方の排出原単位は、その活動をするとどれくらいの二酸化炭素が出るかを表す数値です。これらを掛け合わせることで、いろんな活動から出る二酸化炭素排出量を計算します。
算定の具体例を、わかりやすく説明します。わかりやすさを重視してかなりデフォルメしていますので注意をしてくださいね。(実際の算定はもっと細かな定義があり、かつ複雑です)
スコープ3の算定には、15のカテゴリーがあり、それぞれで対象の活動を測定します。たとえば「輸送、配送(上流)」(カテゴリ4)を考えてみましょう。例えば、100キログラムのみかんを、みかん農場から我が社の工場まで10キロメートル運んでもらっているとします。なお、トラックが1キロメートル走るときに0.2キログラムの二酸化炭素が出るとします。
活動量は「100キログラムのみかんを10キロメートル運ぶこと」です。そして排出原単位は「1キロメートルで0.2キログラムの二酸化炭素を出す」ですね。この2つを掛け合わせると、「100キログラム × 10キロメートル × 0.2キログラムの二酸化炭素」となり、合計2キログラムの二酸化炭素が出ることがわかります。
スコープ3算定では、こうした計算を、自社のサプライチェーン全般にわたってやる必要があります。結構気の遠くなる作業なんですね💦