おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
マネジメントレビューは、ISO45001がうまくいっているかどうかを、組織のトップが評価する場です。規格の解説に加え、マネジメントレビューで確認すべき具体的なポイントを、わかりやすい例を使って説明します。
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ISO45001:2018 9.3 労働安全衛生のマネジメントレビュー 何を確認し 何を判断する?(1)
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ISO45001:2018 9.3 労働安全衛生のマネジメントレビュー 何を確認し 何を判断する?(2)
おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 マネジメントレビューは、ISO45001がうまくいっているかどうかを、組織のトップが評価する場です。規格の解説に加え、マネジメントレビ ...
箇条9.3の規格要求事項(アウトプット)
昨日に続いてアウトプットについて解説をします。これはインプットを受けて、今後のアクションプランをトップが判断する部分です。
最初の項目では、現行の管理の仕組みで、本当にみんなが安全に働けているかどうか、トップが結論を出します。現行の管理の仕組みが「ムダがなく」「足りないものがなく」、さらに「組織の状況に合った適切な仕組み」になっているかを確認し、トップとしての結論を出します。
続いて、継続的改善の機会に関する決定です。現場からさまざまな分析結果や監査結果、改善提案などがインプットされた場合、その中から改善の余地があるものの優先順位をトップが判断するというイメージですね。
次は労働安全衛生マネジメントシステムの変更の必要性に関する決定です。これは例えば、労働安全衛生目標や方針を見直す、より広く安全な工場を建てる、危険な作業はアウトソーシングする、といった大きな意思決定を指します。
次の「必要な資源」については、物や人材、スキルが不足している場合に、購入や採用、教育訓練のための時間やコストをかけることを判断します。
「もしあれば、必要な処置」とは、継続的改善の機会と似ていますが、継続的改善が「改善の余地の有無や優先順位」を判断するのに対し、「必要な処置」は具体的に何をどう改善するのかをトップが判断します。
次の「労働安全衛生マネジメントシステムとその他の事業プロセスとの統合を改善するための機会」についてですが、他の事業プロセス(例えば品質、環境、生産管理に関するプロセス)と労働安全衛生マネジメントシステムを統合できそうならば、その判断をするということです。
そして最後に「組織の戦略的な方向性に関する示唆」です。この労働安全衛生マネジメントシステムの取り組みを通じて、事業戦略そのものを見直す必要がある場合、その課題を明確にすることです。たとえば、危険な作業を伴う業務を売却する、といった戦略的で全体的な見直しです。ただし、ここでは「決定」ではなく、あくまでも「示唆」にとどまります。組織の戦略的方向性は、マネジメントレビューだけでは決定できないこともあるからですね。内用によっては役員会や株主総会での承認が必要な場合もあるでしょう。
働く人への伝達と記録の保持
規格要求事項はもう少し続きます。
トップマネジメントは、マネジメントレビューの関連するアウトプットを働く人および働く人の代表(いる場合)に伝達しなければなりません。トップがマネジメントレビューで何を判断したかを、朝礼や安全衛生委員会で周知したり、文書として配布したりして伝達する必要があります。
最後に、マネジメントレビューの結果の証拠として文書化された情報を保持しなければなりません。一般的には、マネジメントレビューの議事録を記録として残すことになるでしょう。
なぜ記録に残すことが必要かというと、トップの判断を正確に記録し、それを現場へ展開し、改善活動を確実に実行するためですね。反対にいうと、議事録がなければ、改善の必要性が現場に行き届かなかったり、改善が一時的なものに留まる恐れがあります。そうなると、規格の目的である「継続的改善」が実現されにくくなります。
議事録も詳細に取る必要はありません。結論や要点を中心に記録すればいいです。ただし「なぜそういう判断になったのか」という理由や背景も、しっかり記録したいですね。理由や背景がわかるほうが、その改善の重要性や必要性がよく伝わりますからね。
ISO45001 9.3まとめ
ISOこの度の3回のマネジメントレビューに関する解説をまとめると、マネジメントレビューのインプットとして何を報告し、トップは何をアウトプットするのか、項目が決められているというお話でした。そしてマネジメントレビューの内容は、議事録のようなかたちで文書化をすることも必要です。