おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
ISOマネジメントシステムの法令・規制要求事項を内部監査するときのポイントについて解説します。この動画を見れば、「法令・規制要求事項」って具体的に何を指すのか、そして内部監査でどんなふうに確認したらいいのかがわかるようになりますよ!
動画でも解説しています(無料・登録不要)
ISOのマネジメントシステムでは、どんな法律が対象になるのか?
まずは、ISOのマネジメントシステムでは、どんな法律が対象になるのか?という点についてお話しします。皆さんも日頃悩ましいところだと思いますが、ポイントは「法律ならなんでも当てはまるわけではない」という点です。規格によって、当てはまる法律の範囲が異なります。
ISO9001で該当する法令・規制要求事項
ISO 9001では、製品やサービスに直接適用される法令が対象です。たとえば、コンセントのついた電気製品を作っているのであれば「電気用品安全法」が当てはまりますし、食品関連なら「食品衛生法」が該当します。また、消火器など作っているメーカーは「消火器の技術上の規格を定める省令」も対象になりますし、防爆機器を作っているメーカーは労働安全衛生法で定められている技術的な基準を満たす必要があります。ISO9001の法的要求事項で重要なのは、製品やサービスの品質や安全に直接影響する法律だ、という点です。労働基準法なども、守らないと品質に影響を及ぼす可能性はありますけれども、品質に間接的に影響するような法律は、ISO9001では基本的には対象にならないですね。
ISO14001で該当する法令・規制要求事項
次に、ISO 14001です。これは、環境側面に適用される法律が対象です。環境側面とは、環境に影響を与える原因のことですが、例えば、ばい煙が出る作業とか、産業廃棄物が出る作業などが環境側面として一般的ですね。また環境側面に関連して、火災を緊急事態と特定した場合は、「消防法」などの、一見環境法令とは言い難い法律も対象に含まれます。
ISO45001で該当する法令・規制要求事項
そして、ISO 45001では、組織の危険源や、労働安全衛生リスクなどに関する法令が対象になります。主に「労働安全衛生法」と、それに関連する省令や政令、通達などでしょう。場合によっては、ILOの国際労働基準なども該当するかもしれません。
繰り返しになりますが、大事なポイントとしては、「法律ならなんでも対象になるわけではない」ということです。ISO 9001なら製品やサービスに直接関連する法令、ISO 14001なら環境法令、ISO 45001なら労働安全衛生に関する法令が中心になります。
また、このように組織に適用される法律は、一般的には、順守義務一覧表のような形で、文書化されると思います。
次回に続きます。