ものづくり経営革新等支援機関

生産性向上特別措置法・先端設備等導入計画説明会で話されたことまとめ

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6/20追記

「先端設備等導入計画策定の手引き」が中小企業庁ホームページで公開されました。先端設備等導入計画におけるいわばマニュアルですので、申請企業や経営革新等支援機関は内容確認が必須です。

「先端設備等導入計画策定の手引き」が中小企業庁ホームページで公開されました

7/18追記 経済産業省が、豪雨被災中小企業への支援策を打ち出しています。その中で、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金の事業期間の延長、書類提出期限の延長などの措置が検討されています。これら補 ...

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

先日、九州経済産業局による先端設備等導入計画の説明会に出席してきました(九州まで行きました?)その時に、九州経済産業局の担当者が話したことを下記の通りまとめました。

注意!あくまでもこの説明会で受けた説明をまとめたものです。その後にパブリックコメント等を受けたり、自治体独自の考えにより、実際の運用方法等は変わる可能性があります。この情報をうのみにせず、最新の情報をご自身で必ずご確認ください。

生産性向上特別措置法について

5月16日に成立。5月23日に公布。6月4日の週を目途に施行を進めている。

その後、経済産業省が政令を決定し、6月6日施行ときまりました。

先端設備等導入計画の概要説明

  • 事業者が設備投資を通じて労働生産性を高めるための計画。
  • 国が導入促進指針を作成中。法の施行と同時に指針を公表する予定。指針に従い、自治体が導入促進基本計画を作成し、国との協議の上で国が同意を出す。
  • 自治体が定める導入促進基本計画次第では、設備投資が受けられる業種・業態が限定される可能性もあり。
  • 市町村が同意を受けたのちに、先端設備等導入計画を企業が作成し、認定を受ける流れ。
  • 事業者は申請前に認定支援機関による確認書を受け取ることが必要。
  • 申請先の市町村は設備投資を行う市町村である(本社所在地ではない)
  • 事業者が認定を受けると、3つの支援措置(固定資産税の特例、信用保証、補助金優遇措置)を受けることができる。
  • なぜ補助金の優先採択なのか?労働生産性を高めるために設備投資を促したいという行政の思いがある。固定資産税ゼロと補助金と併せて促進したい。自治体の背中を押すために補助金優遇措置を設定。
  • 認定を受けられる中小企業者は、中小企業等経営強化法第2条第1項の指定どおり。
  • ただし、固定資産税の特例が受けられる対象は、認定が受けられる対象と規模要件が異なる。固定資産税の特例は、資本金1億円以下または従業員1,000人以下の個人事業主(租税特別措置法上の中小企業者の定義)。したがって認定を受けた企業が必ずしも固定資産税の特例を受けられるわけではない。
  • 計画期間は3年~5年(事業者によっては1~2年目は準備期間であることがありうることを考慮して最長5年間とした)
  • 労働生産性は年率平均3%以上向上
  • 種類は機械装置、測定工具および検査工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエア

認定支援機関確認書について

認定支援機関の確認ポイントは2点

  1. 設備投資計画が年率3%上がるだろうということを専門家の目線で確認
  2. その企業の投資計画が経営状況とくらべて妥当かどうかを確認。

導入促進基本計画について

  • 市区町村によっては、労働生産性の目標伸び率の年率は3%以上を設定する可能性がある。(国としては可能性は排除しない)
  • 先端設備等の種類は限定される可能性も(最大の幅は機械装置、測定工具および検査工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエア)
  • 年率も自治体が自由に設定できる。
  • 計画期間も自治体が自由に設定できる。(一律3年というケースもありうる。事前の国と自治体の協議内容では、3~5年と幅を持たせているケースが多い)

固定資産税の特例について

  • 旧モデル比であること。現行の企業の現場で使っているモデルとの比較ではない
  • 旧モデルの定義は、性能が変わっていることが条件。色やデザインだけの変更は対象ではない。
  • 税の特例を受ける時だけ証明書が必要。補助金優遇だけならば証明書も誓約書も不要。認定だけでよい。
  • 先端設備等導入計画認定後にしか設備を取得することはできない。経営力向上計画のように遡及はできないため、認定日の一日でも前に設備を取得した場合は税の特例は受けられない。
  • 申請・認定前までに工業会証明書が取得できない場合は、認定を受けてから、賦課期日である翌年1月1日までに証明書を追加提出することで特例を受けることが可能(場合によっては、発注・契約をしないと証明書を出してくれないケースがあるために、このような措置が生まれた)
  • 海外製品も対象だが証明書が必要。ただし発行に半年近くかかるケースも。申請前に、証明書発行のリードタイムを確認すべき。

・政省令について

  • 提出先は投資先の市区町村に提出しなければならない
  • 当初は、認定時には工業会証明書が必須という想定で制度設計していた。しかし各工業会から助言を得て、機械装置等の発注後でないと証明書が出せないケースもあることがわかった。そのように工業会証明書がない状態で認定を受ける場合は、誓約書が必要になる。あとで証明書の提出が必要。
  • 認定申請時に工業会証明書を同時に出す場合は、誓約書は不要という形で調整中。(6/1時点では未確定)

経済産業省告示について

経済産業省告示の中で、各自治体が次のことを自主的に定める余地を与えている。

  • 計画期間(例えば、一律3年なのか、それとも3~5年の間で幅を持たせるのか等)
  • 対象業種(製造業だけにするのか等)
  • 対象設備(機械装置だけにするのか等)
  • 対象地域(市町村内の特定の地域だけにするのか、それとも全域にするのか等)
  • 労働生産性の年率での向上率(国の定めは年率3%だが、それを上回る年率を設定することも理論上可能)

国と協議をすることにはなっているが、国が「ダメです」ということはない。理由を聞くだけ。市区町村の判断が最大限優先される。

申請書の記載例

  • ページとしては表紙以外でだいたい3ページを想定
  • 計画期間は、設備投資を行う先の自治体が導入促進基本計画で定めた期間に準じること
  • 現状認識②自社の経営状況では、なぜ投資が必要なのか理由を明記する。記載例に書かれているのは、キャッチーな文言であり、このようなこと書いてほしい。「近年設備投資を行っておらず、現在の受注量を大幅に増加させることは難しいこと」「長年の経験を活かした歩留まりの改善や品質の向上を図るには限界がある」など

事業者からのQ&A

  • 市町村に申請できるタイミングは、理論的には法の施行日(今村注:6/6)。理論上は指針公表即同意もありうる。同意を受けた日が企業の理論上の最速申請可能日。
  • 導入促進基本計画で定めた内容を、自治体が事前に公表する場合もある。
  • 受付体制の整備もあるので、実際はもう少し後になる可能性も。
  • 旧モデル比が検討できないフルオーダーの設備でも認定は可能な場合もある(類似設備等の比較)
  • 労働生産性の伸び率は会社単位が基本。事業単位、投資単位とわけて考えることも排除はしない。その場合は部門別等の損益計算が必要。
  • 認定を受けるけども固定資産税の特例を受けない場合は誓約書も不要。誓約書は、あくまでも証明書が間に合わない場合の代替措置。
  • 旧様式の証明書(生産性向上設備証明書)の様式でも認めるかどうかは検討中(現行は流用可能とする線で調整中)
  • ものづくり補助金で購入予定の機械装置が、先端設備等導入計画に含まれていなくても、認定はできる。もし自治体の意向で、機械装置が対象設備からはずされてしまっても、ほかの種別で認定して交付決定を受けることも可能。国としては対象範囲は前広にするように周知している。あまりにも対象範囲を狭めるのは法の趣旨にそわないので、国としては望ましくないと思っている。

先端設備等導入計画の制度概要

先端設備等導入計画の制度概要については、下記のページにまとめていますので、ご参考ください。

「先端設備等導入計画」で固定資産税ゼロ+ものづくり補助金補助率アップ

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 生産性向上特別措置法案(生産性革命法案)に基づき、中小企業が生産性向上設備を導入すると固定資産税が3年間ゼロ~1/2に軽減されるという ...

先端設備等導入計画の具体的内容・書き方・記載例について

下記に先端設備等導入計画の具体的内容・書き方・記載例をまとめています。ご参考ください。

「先端設備等導入計画」の書き方・記載例をレビューする(まとめ)

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 過去7回にわたり「先端設備等導入計画」の書き方および記載例をレビューしてきました。今回は、その総まとめです。 概要・全体像 1.名称等 ...

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