おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
おかげさまで先端設備等導入計画の支援依頼をたくさんいただいております。実際に先端設備等導入計画の作成を支援していると、どのように取り扱えばよいかわからないことがたくさん出てきます。その一つが「複数の工場が異なる自治体にあって、それぞれで先端設備等導入計画を申請したい場合はどうするか」ということです。近畿経済産業局に質問をしたので、その回答を共有したいと思います。
先端設備等導入計画は、原則として会社単位での提出が求められる(先端設備等導入計画に関するQ&Aより)
中小企業庁が公開している「先端設備等導入計画に関するQ&A」によると、先端設備等導入計画は、原則として会社単位での提出が求められています。
「先端設備等導入計画の策定の単位は会社単位なのか、設備投資計画単位なのか」という質問に対して、「計画の策定の単位は、会社単位が原則となります。他方で、労働生産性が設備投資計画単位で現状値と目標値の算出が可能な場合には投資計画単位でも構いません」というのが回答ですね。
提出先は、設備投資を行う自治体である
一方、先端設備等導入計画の提出先は、設備投資の自治体です。例えば、本社が所在する自治体とは異なる自治体に所在する工場に設備を導入する場合、事業者は実際に設備投資を行う自治体に先端設備等導入計画の申請を行い、認定を受ける必要があります。
例えば、A市に本社があり、B市とC市に工場を持つ企業があるとします。B市の工場ではフライス盤を導入し、C市の工場では旋盤を導入する計画があるとします。この場合はどうするのでしょうか?答えは、フライス盤購入の記載をした先端設備等導入計画をB市に提出し、旋盤購入の記載をした先端設備等導入計画はC市に提出する、ということですね。
では、記載する内容はどうなのか?
ここで悩ましいのが、先端設備等導入計画で記載する内容です。例えば労働生産性の指標はどうするかということです。上述のQ&Aを見ると「計画の策定の単位は、会社単位が原則となります。他方で、労働生産性が設備投資計画単位で現状値と目標値の算出が可能な場合には投資計画単位でも構いません」と書いています。
これは結論を言うと、工場単位で労働生産性の指標を出す必要はなく、全社としての労働生産性の指標を使い、その指標でB市とC市宛ての先端設備等導入計画を作成する、ということになります。(近畿経済産業局に確認済み)
これは労働生産性の指標に限った話ではありません。3.現状認識の欄では① 自社の事業概要、② 自社の経営状況を記載する欄がありますが、これも工場単位の内容ではなく、全社としての概要・経営状況を書けばよいということです。B市向けとC市向けで内容を変える必要はなく、単純にコピー&ペーストでもOKです。
ただし、次の内容は投資する機械装置等によって異なるでしょうから、B市向けとC市向けでは内容をわけて記載する必要がありますね。
4 先端設備等導入の内容
(1)事業の内容及び実施時期
(3)先端設備等の種類及び導入時期