おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
そろそろ2次公募が始まってもおかしくはない時期です。今日も僕の失敗体験(不採択事例)を公開しますので、2次公募に申請を検討している企業の皆さんは、私の失敗を参考にしてくださいね。今日は「体制」が整っていなかった、という失敗事例です。
革新性ある新製品のための金型製作
今回の事例は射出成型用の金型製造業の事例です。
「金型なんて補助金の対象になるの?」と思われるかもしれませんが、僕自身は金型で4件ほど通した実績があります。金型を使って成形される製品に革新性があれば採択されますし、金型の生産方法も他に類のないものであれば採択される可能性はあります。現に29年度補正の採択企業一覧を見ていても、金型製造業とおぼしき企業が10数社ほど採択されています。
今回の事例企業は、その企業が制作する金型を使って、世にない新製品(最終製品)を作る、というものでした。その新製品は、耐振動性や密封性が求められるため、その両方を実現するような金型設計ノウハウを活かして金型を製作する、というものでした。ちなみにその新製品(最終製品)は、世のトレンドに沿っているものでした。主には行政機関が調達するものなのですが、そのための行政の予算も今後伸びていくという明確な資料がありました。
結果は不採択。体制に疑問とのコメント
革新性もあるし、事業としての成長性も見込める、悪くない申請内容だと思いました。ところが結果は不採択。どういうことかと中央会に連絡し、審査員所見を確認したところ「事業を実質的に一人で行っており、需要に対応できる体制かどうか不明である」というコメントが得られました。
指摘のとおり、この会社は職人が一人(社長)だけであり、ほかの社員は経理担当者の奥様おひとりでした。確かに体制がじゅうぶんであるかどうかは審査項目の一つですから、ここに大きな疑問を持たれても仕方はありません。僕も少し体制面は心配はしていたのですが、過去に従業員数3名の企業を通した実績もありましたし、なにしろ制作するのは金型ですし、量産するのは樹脂成型業者(外注)なのです。需要の伸びにあわせて人を雇う計画(雇用計画)も記載をしたのですが、うまく理解されなかったのでしょう。いや、理解できるように記述しなかった僕の落ち度だといってもよいでしょう。
結局、再提出はせずに見送り
次の補助金公募を待つと事業のタイミングを逸してしまうという理由から、結局再チャレンジはせずに補助金公募を見送りました。もっとも、体制のところが指摘されたのでは、なかなか申請内容の修正も難しいところです。補助金のためだけに人を採用するわけにはいきませんから。
中央会に連絡をして、審査員の所見を訊ねよう
中央会に連絡をすると、審査員の所見を教えてもらえます。審査員は、皆さんの企業が出した申請書をどのように見たかという所見を必ず記録することになっているようですね。したがってこの所見というのは、必ずしも「不採択の理由」ではありません。所見なので、良かった点も記録されています。また、あくまでも一審査員の所見ですから、その指摘事項を修正したからといって、必ずしも次の申請で採択されるわけではない、ということにも留意が必要です。次の申請の際には、また別の審査員が、別の見方をすることも十分に考えられることですからね。
中央会に連絡する際に、注意してほしいことをまとめます。
- 申請書の受付番号を手元に控えてから電話をすること(中央会では受付番号で検索をするため)
- かならず申請企業の人が電話をすること。認定支援機関や作成コンサルタントが電話をすることは厳禁です。
- 話を聴きながらメモを取るのはなかなか難しいので、スマートフォンの通話メモ(録音)機能などを使って、聞き洩らしのないようにしたいところです。
過去の「失敗事例」記事も参考にしてくださいね
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