おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
先日、今年(平成31年)実施のIT導入補助金は300億円ほどの予算があてがわれているという噂をあるところから聞きました。個人的にはそれはありえないと思っていますので、分析してみたいと思います。
これまでのIT導入補助金の予算額はいくらであったか
IT導入補助金は平成28年度補正予算ではじめて事業化された施策です。初年度の28年度補正では100億円の予算。そして平成29年度は大盤振る舞いの500億円という配分でした。
平成28年度補正 | 100億円 |
平成29年度補正 | 500億円 |
しかし下記の記事が示す通り、平成29年度補正で実施されたIT導入補助金は、大幅に予算が余ったというもっぱらの噂です(行政は決して認めないでしょうが)。
平成30年補正予算では、IT導入補助金単独ではなくなった
予算が余ったからなのかどうかはわかりませんが、平成30年度補正予算では、IT導入補助金は単独施策ではなくなりました。ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金という関連する中小企業施策と統合されて「中小企業生産性革命推進事業」となりました。つまりお財布(予算)が一つになり、総額で1,100億円という予算規模になりました。
1,100億円の内訳。ものづくり補助金は800億円
1,100億円の内訳は調べればある程度はわかります。まず、ものづくり補助金については、中小企業庁の事前予告資料で予算配分が明示されています。
小規模事業者持続化補助金は昨年同様120億円程度?
小規模事業者持続化補助金の内訳は明示はされていませんが、推測することができます。
前述の資料(平成30年度補正予算のPR資料)には、小規模事業者持続化補助金について次のような記述があります。20,000者を支援する、とあります。
実はこの20,000者という数字は、前年の平成29年度補正の時と同じ数字です。平成29年度補正のPR資料を見てみましょう。赤線部分に注目です。
平成29年度と30年度とでは、同じ数(20,000者)の支援を行うというのですから、規模感は同等とみることができます。したがって、小規模事業者持続化補助金の配分は、昨年同様120億円程度だという推測ができます。
1,100億円(総額)-800億円(ものづくり)-120億円(持続化)=180億円(IT導入)
ということは、予算総額から引き算をすると、IT導入補助金の規模感がわかります。おそらく180億円程度ではないでしょうか。そもそも総額が1,100億円で、ものづくり補助金に800億円であるということは中小企業庁が明示しているのですから、IT導入補助金が300億円ということはあり得ません。(もしそうなら持続化補助金の配分はゼロになる)
おそらく、1,100億円からものづくり補助金の800億円を差し引いた300億円という数字が独り歩きしたのではないかと思います。
補助金についてはいろんな噂が飛び交います。真偽に注意してくださいね!?