おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
今日もコンサル失敗談です。支援先の社長から辛辣な一言をかけられるほど、冷や汗をかくことはありません。僕は、こともあろうか、社長から「時間のムダ」と言われたことがありました?
経営会議と部門会議
僕が企業の目標管理支援や5S推進支援などを行う場合は、「部門会議」と「経営会議」の2つの会議体の進行役をします。部門会議では、各部門が定めた計画の進捗状況を確認します。そして、経営会議では、部門会議で明らかになった課題のうち、経営幹部で話し合いが必要なものを議題として取り上げ、協議をします。
図に示すとこんな感じですね。
部門で建てた計画を推進をする上では、必ず壁に突き当たります。その壁を放置しておくと、問題は解決しないのはもちろんですが、計画を推進しようという部門の皆さんの意欲までそぐことになります。
そうならないよう、社長や役員、各部門長が集まり、その問題の解決策を話し合うのです。部門で解決できない問題は、ほとんどが①経営判断が求められるもの(例えば投資が必要であるなど)か、②部門間の調整が必要なもの、のどちらかです。したがって、幹部が話し合いさえすれば、だいたいは解決策は見出せるものです。
で、この経営会議の議題は僕が作っています。というのも、全ての部門会議に顔を出しているので、部門の課題を把握しているからですね。
議題に納得がいかない社長
ある時の経営会議でのことですが、社長が難しい顔をして僕に尋ねました。
確かにこの時の課題は、僕としても「別に今じゃなくていいかな」と思えることでした。しかし「議題を作らなければならない」と思い込み、無理やりにねじ込んだことは否めません。本来は社内の課題を解決するための議題なのですが、議題を作ることがいつの間にか目的になっていたようです。そりゃ社長に見透かされても仕方ないですよね……
議題選びは緊急度を考慮し、事前に合意形成(根回し)をする
こういう指摘を受けてから僕は、議題を選ぶ際に必ず緊急度を確認するようにしました。具体的には部門会議の席上で「この課題は経営会議で話し合うべき課題ですが、いつまでに解決が必要だと思いますか」という質問を、必ず投げかけるようにしました。
また、議題の合意形成をするようにもしました。部門会議が終わった後、その日の会議の総括を必ず社長に報告するようにしました。その場で、経営会議の議題候補についても社長に説明をし、事前に合意を得るようにしたのです。つまり、根回しですね。
支援先の社長と認識がずれることが、コンサルでは最も危険
この一件で学んだことでもありますが、支援先の社長と認識がずれるというのが、もっとも危険というか、コンサルタントとしての信頼を失う理由だと思います。「なぜこの議題を選んだか」という背景について認識がずれたので、社長に不信感が芽生えたわけです。これは議題選びに限りません。コンサルタントとして支援先でどれだけ汗をかこうとも「今村さんは一体何をやっているんだ?」と思われると、それは信頼関係を壊すきっかけになるのです。
常に社長とは同じ認識でいるために、情報共有の場をもうけ、必要性や背景についてじっくり話をする。まあ、いわば「報連相」ですね。コンサルだから報連相が不要ということはありません。人が働く「組織」に介入する以上は、コンサルタントであったとしても、社長への報連相は欠かせないという教訓でもあったりします。
別の角度から言うと、社長と同じ認識を持ってさえいれば、結果が出なくても責められるようなことは絶対にありません。結果が出ない背景や理由までも共通認識が持てているからですね。