おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
昨日に引き続き、IT導入補助金2019の分析をします。本日は公募要領内にある審査項目を読み解き、審査で評価されるためにはどうすればよいかを考察します。今日は審査項目のうち、(1)事業面の具体的な審査における、2番目の審査項目について解説します。
IT導入補助金2019の審査項目
IT導入補助金2019の審査項目は下記の通りです。
今日はこのうち、(1)事業面の具体的な審査における、2番目の審査項目について解説します。
事業面の具体的な審査②
審査項目の2つ目は、下記の点です。
- 自社の状況や課題分析及び将来計画に対し、改善すべき業務プロセスが、導入する「ITツール」の機能により期待される導入効果とマッチしているか
ここでいう「自社の状況や課題分析及び将来計画」は、やはり「申請の手引き」P40~P45に該当する入力項目のこと(下記参照)のことだと思われます。
[bP40logcard url="https://www.it-hojo.jp/h30/doc/pdf/h30_application_manual.pdf"]
「改善すべき業務プロセス」とは何でしょうか?「申請の手引き」によると下記の図の赤枠の部分が業務プロセスだと定義されています。今回のIT導入補助金では、A類型ではこれらの業務プロセスから1つ以上の選択が必須、B類型では3つ以上の選択が必須となっています。
さらに審査項目では、これらが「導入する「ITツール」の機能により期待される導入効果」とマッチしていることを求めています。これは経営診断ツールの非財務情報における「5.ビジネスプロセスの改善に向けて」の下記の部分を指していると思われます。
「自社の状況や課題分析及び将来計画」「改善すべき業務プロセス」「ITツールの導入効果」との一貫性が求められている
つまりこの審査項目②では、「自社の状況や課題分析及び将来計画」「改善すべき業務プロセス」「ITツールの導入効果」との一貫性が求められていると言えるでしょう。図で示すとこういうことかと思います。
例えばですが、製造業で品質に関するクレームが多く、この対策のために品質管理ソフト(統計的管理手法の支援をするソフト)を購入したいと考えているとします。
この場合、「自社の現状や課題分析及び将来計画」で選択しておくべき項目は、弱みとして「在庫管理・工程管理等、業務管理がうまく把握できていない」や、組織体制として「情報や品質管理体制ができておらず、整備していきたいと考えている」という点でしょう。
そして、業務プロセスの選択でも、品質に関する項目(製P-05⑤・業務固有プロセス(実行系)・現場管理(安全、作業進捗、納期、品質)、設備管理(稼動、保全))が選択されている必要があります。
そして「ITツールの効果」でも、品質向上というキーワードがあるものを選択します。こうすると、全体の流れに一貫性ができます。
一方で、品質管理ソフトの導入をしようと考えているが、弱みとして「商品・サービスの情報発信不足」しか挙げていなかったり、ITツールの導入効果として「勤務時間の把握」を挙げていると、ちぐはぐな印象ですね。
この「一貫していない例」は極端な例ですが、この3つの領域について矛盾のない回答(選択)をすることが求められていると考えてよいでしょう。ここは公募要領や手引きを見て、何度も見直したり、第三者にチェックをしてもらったりすることが望ましいのではないかと思います。