おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
3月10日に公募がはじまった2020年実施ものづくり補助金ですが、昨年度(H30年度補正・2019年実施)2次公募との比較を中心として、公募要領の変更点を箇条書きでまとめます。特に解説はしませんし、漏れや抜け、勘違いがあると思います。速報ですのでどうぞご容赦ください。
申請方法
- Jグランツによる申請
- GビズIDプライムアカウントの取得が必要
申請様式
- ものづくり技術と革新的サービスがなくなる
- 共同申請、設備投資を伴わない事業類型の廃止
- セキュリティアクションの自己宣言状況の報告が求められない
- コンサルの作成支援報酬額の記載が必要に
- 支援者(コンサル)による不適切な行為の例が、認定支援機関だけではなく、申請書の作成を支援したもの全般に適用?(認定支援機関である場合には業務改善命令や認定取り消しに至る可能性に言及)
- 会社全体の事業計画において、基準年度と1~5年後の給与支給総額を記入する必要あり
- 給与支給総額の算出根拠明示する必要あり
- 基準年度を見込み数字で記入するか、実績数字を記入するかは、指示が明確に
基準年度には、決算日が申請の締切日以後6ヶ月以内の場合は、締切日の属する決算期1年間の「見込み」の数字、決算日が申請の締切日以前6ヶ月以内の場合は、締切日の属する決算期1年間の「実績」の数字を入力ください。※見込みの数字を入れた場合は、フォローアップ時に、実績の数字に置き換えて、付加価値額や給与支給総額等の伸び率の達成状況を確認します。
- 経営革新等支援機関の確認書の添付が不要に
事業の目的
(2020年)中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者 保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り 組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する。
※2019年参考 足腰の強い経済を構築するため、日本経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者等が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の一部を支援します
補助率
- 2/3にアップする要件は小規模企業者・小規模事業者であることのみ
事業実施期間
- 交付決定日から10ヶ月以内(採択発表日から12ヶ月後の日まで)
申請要件
- 以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定し、従業員に表明していること。
- 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加 (被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用に取 り組む場合は、年率平均1%以上増加)
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30 円以上の水準にする ・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
- 応募申請時点で建設中の場合や土地(場所)のみを確保して建設予定である場合は対象外に
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条に規定する暴力団又 は暴力団員と関係がある場合等)が対象外に
- 他の中小企業・小規模事業と同一もしくは極めて類似した内容の案件が対象外に
- 今般の新型コロナウイルスの影響を受けた事業者(加点措置を受けた事業者)については、補助事業実施年 度に感染症の影響を受けることを想定して、賃上げ及び付加価値額増加の目標を据え置きし、その翌年度から3~5年の間にこの目標値を達成する計画とすることが可能に
- 申請締切日前10か月以内に同一事業(令和 元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業)の交付決定を受けた事業者は除外
給与支給総額の定義が明確に
- 全従業員(非常勤を含む)及び役員に支払った給与等(俸給、給料、賃金、歳費及び賞与等は含み、福利厚生費や退職金は除く)
審査結果の通知・公表
- 認定支援機関の公表がなくなった
補助対象経費
- 新型コロナウイルスの影響を受けた事業者に限り、事務局から事前着手の承認を受けた場合には、 承認日以降に発生した経費についても補助対象とすることが可能に(後述)
- 機械装置費が「機械装置費・システム構築費」に。「 情報システム の購入・構築」が投資例に追加
- 「生産性向上に必要な、防災性能の優れた生産設備等を補助対象経費に含 めることは可能です。」という注釈が追加
- 中古設備にかかる補助対象経費を明確化。「3者以上の中古品流通事業者から型式や年式が記載された相見積もりを 取得している場合には、中古設備も対象になります。」
- 専門家経費における専門家の定義、謝金単価・旅費基準が明確に
- 専門家を活用する場合の補助上限額30万円の増額がなくなる
- 専門家経費の上限が総額の1/2に
- グラウドサービス利用費の例に「WEBプラットフォームの利用費」が追加
- 「補助金交付決定日よりも前に発注、購入、契約、または事業期間終了後に納品、検収等を実施したもの(事業者が指定した国内の事業実施場所に引き渡されないもの)」が削除(今村注:事前着手の制度が導入されたためか)
- 「共同申請者内の補助事業者の取引によるもの(機械装置の売買代金や賃借料等)」が削除
- 支払い方法としてクレジットカードで支払う場合は要相談が追加
- 「申請の準備段階にて予め複数者か ら見積書を取得いただくと、採択後、円滑に事業を開始いただけます。」という推奨事項が追加
補助事業者の義務
- 「交付決定後に、補助事業者が大企業になる等、補助対象者ではなくなった場合は、本事業を中止、廃止することになります。」が削除
- 事業化報告が毎会計年度終了後の60日以内に短縮(以前は90日)
- 補助金収益納付の条件として「年率平均3%以上給与支給総額を増加させた場合や最低賃金を 地域別最低賃金+90円以上の水準にした場合等)によって公益に相当程度貢献した場合は免除されます」が追加
加点項目のエビデンス
- 成長性加点:経営革新計画承認書
- 政策加点:開業届、履歴事項全部証明書
- 災害等加点:(連携)事業継続力強化計画認定書
- 自然災害及び感染症による被害状況等証明書【様式2】
- 感染症の影響のエビデンス例:原材料の調達先事業所が操業を停止していることを証する通知文書、顧客からの中長期の取引計画を含む部品供給要請文書、国内外の事業所が操業を停止していることを証する書類等
- 賃上げ加点:特定適用事業所該当通知書
審査項目
- 技術面①から「新技術」削除
- 技術面②が「サービス」から「サービスモデル」に
- 事業化面②に「 クラウドファンディング等を活用し、市場 ニーズの有無を検証できているか。」が追加
- 政策面が全て新しいものに
① 地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果 を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業を積極的に展開することが期待 できるか。
② ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格 な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有 しているか。
③ バイオマス素材を用いた資源循環型プラスチック製品の開発等、環境に配慮した持続可 能な事業計画となっているか。
減点項目
- 過去3年間に、類似の補助金※の交付決定を受けていた場合、交付決定の回数に応じて減点