おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
2020年実施ものづくり補助金では、政策面の審査項目が一新されました。新しい審査項目の意図はなにか?申請する上ではどう記述すればよいか?を、考察したいと思います。本日は政策面②です。
そもそも「政策面」という審査項目は何か?
中小企業が申請する「ものづくり補助金」事業計画書の内容が、行政(国)の方針に沿っているかどうかを評価するのが「政策面」です。
どんな施策もそうですが、行政側として達成したい目的や目標があります。その実現のために「補助金」という手段で実施を促しているわけです。この「ものづくり補助金」も、中小企業の経営革新や生産性革命を促進したいからやっているんですね。単に、がんばる中小企業を応援するためだけに行われているわけではありません。
経営革新や生産性革命の他にも、国が中小企業政策として実現したいことはたくさんあります。これらをより多く満たしている企業を審査上で優遇しようというわけですね。具体的にどういう方針を満たしていれば優遇するのかを具体的に示したのが、この「政策面」です。
新政策面②には何が書いてあるか
令和元年補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」公募要領18ページ(4)政策面②には、次のように書かれています。
ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
非常に読解に苦慮する日本語ですが、実はこれも経済産業省の政策オタクならば聞いたことのあるフレーズです。「新グローバルニッチトップ企業100選」という選考制度があるのですが、そこで使われているフレーズと全く同じです。
政策面①が「地域未来牽引企業」のことを指していたように、この政策面②も事実上の「新グローバルニッチトップ企業100選」認定企業に対する加点であると思われます。
「新グローバルニッチトップ企業100選」の応募はすでに終了。選定されていない企業はどうすれば点がとれる?
「新グローバルトップ企業100選」の応募は、2020年2月27日をもって募集を締め切られています。したがって、この審査項目を満たしたいからといって、「新グローバルニッチトップ企業100選」に応募することはできなくなりましたね。
では、これに認定されていない企業は、政策面①を全く満たすことができないのでしょうか?
ここからは(前回同様)当社の勝手な推測です。これで政策面②の点が取れるという保証はどこにもありませんが「新グローバルニッチトップ企業100選」の評価項目と絡めて記述するという方法があるかもしれません。以下に、「新グローバルニッチトップ企業100選」の申請要件・評価項目を見ていきます。
中小企業者におけるグローバルニッチトップ企業としての要件
「グローバルニッチトップ企業」に申請をする際の要件は下記の通りです。かなり高いハードルですね。これをクリアしなければ申請もできないんですからね。
特定の商品・サービスについて、過去3年以内において1年でも、概ね10%以上の世界シェアを確保したことがあるものを対象とします。
「新グローバルニッチトップ企業」審査項目
とはいうものの、これを書くというのはなかなか大変ですね。それでも何も書かないよりマシですので、これに沿った形で、ものづくり補助金の申請書にも、記述をするほうがよいのでしょう。ただし、これを愚直に、かつ具体的に記述をしていると、推奨されているページ数(その1,その2あわせて10ページ程度)を超えてしまいますので、適度な分量に抑えつつ、主だったところ(自社として主張できそうなところ)を記述するしかないと思います。
くどいようですが「新グローバルニッチトップ企業100選」の選定企業が本来の優遇対象だと思われますので、上記の評価項目に沿った記述をしても、政策面②の点が取れる保証はありません。しかし、何も書かないよりは遥かにマシですが。