おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
これから何度かに分けて、2020年実施ものづくり補助金1次締切の結果分析をしてみたいと思います。今回は都道府県別の採択率を推測してみました。
都道府県別の採択率を推測してみる
都道府県別の採択数を調べるのは容易にできます。公表されている採択事業者一覧で数えていけばいいだけですからね。下記のリンクをクリックすると、pdfで公開されている採択者一覧を見ることができます。このpdfをExcelに変換し、countif関数で数えれば、都道府県別の採択数を調べるのは簡単です。
問題は分母。すなわち、都道府県別の申請数を調べることです。これはどこにも公表されていませんが、推測することはできます。同じくpdfで公開されている採択者一覧を見てみると、受付番号が書かれています。おそらくこれが、全ての申請者に対して割り当てられた、一意の通し番号です。
例えば北海道の採択事業者を追っていくと、北海道の最後の採択事業者(青森県との境界)の通し番号はR101010067です。(下記赤線部分)
番号命名規則は次のような構造になっているものと推察できます。
受付番号は申し込み順に振られることがわかっていますので、この命名規則から、北海道の申請数が67件程度であることがわかります。もしかしたら68件かもしれないし、69件かもしれないし、70件かもしれませんが、ここでは便宜上、67件だと仮定します。数件程度の誤差は、大まかな傾向をつかむ上では問題ないと判断します。
都道府県別の採択率の計算結果
上記の計算方法で集計をしたところ、全国の申請数予測が2,240件となりました。公表されている全国の申請数が2,287件です。まずまず近い値となりましたね。さてそれでは、この計算方法で算出した、令和元年度補正・2020年実施ものづくり補助金1次締切の都道府県別採択率(予測値)をご覧ください。H30年度、およびH29年度・H28年度の1次公募の採択率も参考として記しています。
都道府県ごとの採択率のバラつきの大きさ(標準偏差の推移)
過去3年分の標準偏差の推移を下記に記します。今回の公募は申請数が少なかったこともあってか、昨年よりも都道府県ごとの採択率のバラつきが大きくなっているように見えます。
平成28年度は、ほとんど判を押したように各都道府県の採択率40%前後で落ち着いていて、都道府県でのばらつきはほとんど見られません(標準偏差0.012)。ところが平成29年度に急にバラつきが大きくなりました(標準偏差0.097)。平成30年度は落ち着いたかに見えますが、今回の1次締切ではばらつきが再び大きくなっています。
採択率トップ5とワースト5
正確性を保証しない、あくまでも概算の当社分析ですが、この分析方法に従った場合の採択率トップ5都道府県は下記のとおりです。
高知県 申請数7、採択数7、採択率100.0%
山梨県 申請数10、採択数8、採択率80.0%
静岡県 申請数123、採択数96、採択率78.0%
沖縄県 申請数13、採択数10、採択率76.9%
群馬県 申請数34、採択数26、採択率76.5%
ワースト5は次のとおりです。
香川県 申請数44、採択数23、採択率52.3%
大分県 申請数27、採択数14、採択率51.9%
福井県 申請数29、採択数15、採択率51.7%
山口県 申請数33、採択数17、採択率51.5%
福島県 申請数22、採択数11、採択率50.0%
根拠はありませんが、このばらつきの最も大きな要因は、各都道府県での審査の甘辛傾向によるものだと当社では推測しています。