おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
8月25日に、ものづくり補助金グローバル展開型に関する「よくある質問」が公開されました。公募要件に関するより詳しい情報が記載されているので、これを読み解く2回めです。
グローバル展開型「よくある質問」はこちら
②類型・③類型における「製品等/サービス等販売先の2分の1以上」とは、具体的にどのように考えればよいのでしょうか。
策定する3~5年の事業計画において、補助事業によって開発又は生産(提供)方式を刷新した製品(サービス)の販売先が海外顧客/インバウンド顧客であり、その販売先数が総販売先数の2分の1以上であることが必要です。
「販売先2分の1以上」の指標は、想定する顧客数、販売先数、売上額等、実施事業内容に応じて設定していただいて構いません。なお、その論拠は、応募時に提出する各種報告書に記載願います。
「「販売先2分の1以上」の指標は、想定する顧客数、販売先数、売上額等、実施事業内容に応じて設定していただいて構いません。」ということで、自社の事業において適切な指標を任意に選択してよい、ということですね。
航空機部品の機械加工で、海外メーカー(RRとかP&Wとか)に部品を直接納入するのであれば、そこからの生産見込み数(または金額)を書いて、国内企業向けの生産数・売上高と比較をして、2分の1以上であることを主張するんだろね。
「顧客数」でも良さそうなので、例えばですが、国内は三菱重工と川重の2社、海外はRRとP&Wの2社なので、海外比率が2分の1以上です、といってもいいんじゃない?
④類型(海外事業者との共同事業)における外国法人の制限はあるでしょうか
法人格を有していれば構いません。ただし、補助事業者と「資本関係」のある外国法人は対象外です。なお、資本関係が一切ない場合は、補助事業者の役職員が当該外国法人の役職員を兼務している事実(人的関係)があっても、対象となります。
どこまでを「資本関係」というのか、というのは謎ですね。
「資本関係が一切ない場合は……対象となります」という後段の分から推測すると、1株でも保有をしていれば資本関係があるとみなされるんじゃないでしょうかね。
そう読むのが自然だろうね。2つの法人のうちいずれか一方の法人が他の法人の株式を直接または間接に保有する関係もダメだろうし、2つの法人が同一の者によってそれぞれの法人の株式を直接または間接に保有される関係もダメ、と思ったほうがよさそうですね。
①類型(海外直接投資)の条件として、「単価 50 万以上の海外事業と一体的な機械装置等を取得すること」とあるが(公募要領 p.7 下から 4 行目)、 「一体的な」とはどのようなものか。
例えば、次のような事例を想定しています。
- 日本本社と海外子会社等が相互に連携し、製品・サービス提供を高度化・高付加価値化する等のために必要となる投資
- サプライチェーンの多元化を図ること等を目的とし、海外子会社と同等レベルの設備を導入するために必要となる投資
- 日本本社と海外子会社等間で同一の在庫管理や販売に係るシステムを構築するために必要となる投資 等
「一体的」ということに対する具体例が出てきましたね。
ひとつめは前の記事にもかいた「国際分業」のようなイメージでしょうね。ふたつめとみっつめは……革新性とか優位性をどう表現するの?という疑問はあるね。
付加価値額3%以上向上する取り組みであるという主張も、難しいんじゃないですかね。というか、特にみっつめの事例って、ものづくり補助金というよりIT導入補助金の守備範囲では?という疑問が拭えませんね。
在庫管理や販売システムで、海外支店や海外子会社側に必要な投資ってなんだろうね。クラウド使ったりVPN使ったりすれば、現地での投資の必要ないんじゃないのなかな。ちょっとイメージしがたい事例ですね。
ここに事例として書かれているからと言って、必ず採択されるわけではないと認識してくださいね。