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中小企業経営強化税制(経営力向上計画)の適用期限を2年間延長

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

12月10日、与党から「令和3年度税制改正大綱」が公表されました。経営力向上計画の指定期間は、2021年3月末まででしたが、法改正が行われたら、生産性向上設備(A類型)の税制優遇措置(即時償却・税額控除制度)の適用期限が2年間延長されます。

与党「令和3年度税制改正大綱」

与党「令和3年度税制改正大綱」の69ページに、次のような記述があります。

(4)中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(中小企業経営強化税制)について、関係法令の改正を前提に特定経営力向上設備等の対象に計画終了年度に修正ROA又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限る。)を実施するために必要不可欠な設備を加えた上、その適用期限を2年延長する(所得税についても同様とする。)。

(与党「令和3年度税制改正大綱」より)

 

税制改正法案は例年3月に成立

12月に与党税制調査会が発表した「令和3年税制改正大綱」は、あくまでも来年度の税制改正方針に過ぎません。実際に効力を発するのは、法律が改正された後になります。

通常ですと、「令和3年税制改正大綱」は閣議決定された後に、内閣が国会へ法案を提出します。衆参両院で審議された後、3月には成立するという流れです。今年(2020年度)の税制改正法案は、2020年3月27日に成立しています。この度発表された「令和3年税制改正大綱」も、来年の3月頃に改正法が成立するものと思われます。

法改正後の経営力向上計画はM&A優遇措置も

「令和3年税制改正大綱」によると、M&Aを検討する中小企業にも優遇制度が設けられます。「令和3年税制改正大綱」73ページには次のような記述があります。

中小企業等経営強化法の改正を前提に、青色申告書を提出する中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く。)のうち同法の改正法の施行の日から令和6年3月31 日までの間に中小企業等経営強化法の経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限る。)の認定を受けたものが、その認定に係る経営力向上計画に従って他の法人の株式等の取得(購入による取得に限る。)をし、かつ、これをその取得の日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(その株式等の取得価額が10 億円を超える場合を除く。)において、その株式等の価格の低落による損失に備えるため、その株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度において損金算入できることとする。

(与党「令和3年度税制改正大綱」より)

中小のM&Aには様々なリスクがあります(買収後に隠れた簿外債務などが発覚したり、買収先が過去に粉飾決算をしていて回収できない売掛金があったり等)。こうしたリスクに対して積立を行った場合、その額を損金算入できるという制度です。この制度の活用に、経営力向上計画の認定が必要となるようです。

本件は、12月10日の日本経済新聞記事でも解説されていますので、こちらもご参考ください。

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