おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
兵庫県では6月補正予算にて、コロナ禍の環境変化に応じたビジネスモデルの再構築や新たな事業展開に取り組む県内中小企業に対する補助金施策を実施する予定です。兵庫県版ミニ"事業再構築補助金"ともいえる本施策の内容を、県の予算資料から読み解きます。
兵庫県令和3年度6月補正予算案における"中小企業の新事業展開への支援"
兵庫県6月補正予算案にて、"中小企業の新事業展開への支援"として、下記の施策が掲載されていました。
○補助対象
以下の要件を満たす中小企業
- 申請前の直近6ヶ月のうち任意の3ヶ月の合計売上高が、前年又は前々年以前の同3ヶ月と比べて10%以上減少
- コロナ禍に対応して、新分野展開、業態転換、事業・業種転換等事業再編に取り組むこと
- (小売業:対面販売に加えてECサイトを構築したネット販売に要する経費)
- (飲食業:弁当販売店が高齢者向けの宅配事業の新展開に要する経費等)
○対象経費
- 建物改修費、設備費、システム購入費、広告宣伝費等
○補助率等
1/2 ※事業費に応じてそれぞれ定額補助
- 事業費 150 万円以上は国の中小企業等事業再構築促進事業の対象
- (補助率2/3、事業費150万円以上9,000万円以下)
○実施手法
- 県商工会連合会及び各商工会議所を通じて補助
要は少額規模限定の"事業再構築補助金"
兵庫県の予算案を読むと、要は少額規模限定の"事業再構築補助金"のもようです。国の事業再構築補助金は、事業費が150万円以上(もらえる補助金額が100万円以上)でなければ申請ができません。国の制度では、150万円以下の少額規模は対象外なのですが、その対象外の案件を兵庫県として後押しをしようという考えのようです。
兵庫県の当施策は、公募要領などがまだ公開されていないのでわかりませんが、下記の2つの要件を見る限り、国の事業再構築補助金とほぼ同じ要件になるかもしれないと想定されます。
- 申請前の直近6ヶ月のうち任意の3ヶ月の合計売上高が、前年又は前々年以前の同3ヶ月と比べて10%以上減少
- コロナ禍に対応して、新分野展開、業態転換、事業・業種転換等事業再編に取り組むこと
予算規模は7億円。1,000社程度に交付予定か
予算規模は7億円です。補助金額が最大75万円であることから、単純計算で1,000社程度に交付されるものと思われます。
しかし、補助金は少しでも多くの額がほしいと思うのが人情です。少額規模限定であり、しかも事業再構築補助金に求められるような複雑な要件を満たす補助金に、どれだけの県下中小企業が申請するのか、あまり期待はできないでしょう。
実施方法にも「県商工会連合会及び各商工会議所を通じて補助」とあります。商工会連合会や商工会議所が審査をすることになるのでしょうが、これだけ複雑な要件を審査できる体制をどのように整えるのかも、この予算書だけでは不透明です。昨年行われた兵庫県の「地域企業デジタル活用支援事業」は、事実上ほとんどの企業が採択されたようですが、今回はどうなるのでしょうかね。