ものづくり経営革新等支援機関

【速報】事業再構築補助金 緊急事態宣言特別枠 1次採択発表 都道府県別の採択率分析

https://imamura-net.com

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

6月16日、事業再構築補助金事務局は、緊急事態宣言特別枠(1次公募)の採択者を発表しました。採択率は55.3%(要件を満たさない申請も含む)でした。公表データをもとに、ブロック別と都道府県別の採択率分析をします。

動画でも解説しています(無料・登録不要)

通常枠の採択者数・採択率についても記事を更新しました

【速報】事業再構築補助金1次公募に約8,000件採択 総合採択率は36.1%

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 6月18日、日刊工業新聞は、事業再構築補助金1次公募分の申請件数が22,231件に対して、採択件数が8,016件であることを報じました ...

続きを見る

事業再構築補助金 第1回公募採択者(緊急事態宣言特別枠)は下記にて公表されています

事業再構築補助金 第1回公募採択者(緊急事態宣言特別枠)採択率は55.3%(要件を満たさない申請も含む)

事業再構築補助金事務局のホームページでは、下記の一文がありました。

事業再構築補助金について、申請受付締切りである5月7日までに5,181者(要件を満たした申請件数4,326者)の応募がありました。上記について厳正な審査を行った結果、2,866者を採択することと決定いたしましたのでお知らせします。

要件を満たさない申請も含む申請総数(5,181者)を母数とした場合の採択率は55.3%で、要件を満たした申請件数を母数(4,326者)とした場合の採択率は66.3%でした。

要件を満たさない申請は855者であり、申請総数の16.5%にのぼりました。ここでいう要件とは、公募要領にある「4.補助対象事業の要件」(P10~P15)や、事業再構築指針で求められる諸要件のことを指していると思われます。要件をよく読むことはもちろんですが、要件に当てはまらないけれどもダメ元で申請をするということは徒労に終わるだけだということがよくわかります。

事業再構築補助金 都道府県別の採択率を推測方法

都道府県別の採択数を調べるのは容易にできます。公表されている採択事業者一覧で数えていけばいいだけですからね。下記のリンクをクリックすると、pdfで公開されている採択者一覧を見ることができます。このpdfをExcelに変換し、countif関数で数えれば、都道府県別の採択数を調べるのは簡単です。

問題は分母。すなわち、都道府県別の申請数を調べることです。これはどこにも公表されていませんが、推測することはできます。同じくpdfで公開されている採択者一覧を見てみると、受付番号が書かれています。おそらくこれが、全ての申請者に対して割り当てられた、一意の通し番号です。

例えば北海道の採択事業者を追っていくと、北海道の最後の採択事業者(青森県との境界)の通し番号はR2011S00146です。(下記マーカー部分)

番号命名規則は次のような構造になっているものと推察できます。

受付番号は申し込み順に振られることがわかっていますので、この命名規則から、北海道の申請数が146件程度であることがわかります。146番目以降にも申請があったが不採択のために採択者一覧に載っていない可能性がありますので、もしかしたら北海道の申請総数は147件かもしれないし、148件かもしれないし、149件かもしれません。しかしここでは便宜上、146件だと仮定します。数件程度の誤差は、大まかな傾向をつかむ上では問題ないと判断します。

事業再構築補助金 都道府県別の採択率の計算結果

上記の計算方法で集計をしたところ、全国の申請総数(推定)が5,121件となりました。公表されている全国の申請数が5,181件です。まずまず近い値となりましたね。さてそれでは、この計算方法で算出した、事業再構築補助金緊急事態宣言特別枠1次公募の都道府県別申請数・採択数・採択率(採択数以外はすべて推定)をご覧ください。推定値なので決して鵜呑みにはせず、参考程度にしてくださいね。

※スマホ等で閲覧した場合、下記の表が表示されない場合があります。その場合はこちらをご覧ください。

ご覧のように、採択率はまずまずばらついています。採択率で標準偏差を計算したところ、0.11という数値になりました。

パッと見た印象ですが、申請数が多いほど採択率が低いような印象があります(反対に、申請数が少ない県ほど採択率が高い印象がある)。申請数が100以上の都道府県(11都道府県)の総和と、申請数が100未満の県(36県)の総和で、採択率の違いを比較してみましょう。採択率に6.8ポイントの開きがあります。

次に緊急事態宣言発令地域(東京、京都、大阪、兵庫、愛知、福岡、北海道、岡山、広島、沖縄)の総和と、非発令地域の総和とで、採択率の違いを比較してみましょう。こちらも採択率には5.5ポイントの開きがあります。余談ですが僕は、「緊急事態宣言特別枠という名称だし、この特別枠は一時協力金の代替措置という位置づけなので、緊急事態宣言発令地域のほうが採択率が高くなるだろう」と予測をしていましたが、このような結果になりましたね。

事業再構築補助金 ブロック別の採択率の計算結果

今回、採択者はブロック別(地域別)に発表されています。ブロック別でも採択率を集計してみました。その結果は下記のとおりです。

ご覧のように、採択率のばらつきは都道府県別ほどではありません。ブロック別での採択率の標準偏差は0.04でしたので、都道府県別よりも明確にばらつきが少なくなっています。

今回、採択者がブロック別に発表されたという事実からみても、ブロック単位での点数補正が行われているのではないかと推測できます(つまり都道府県ごとの補正まではやっていない)。

事業再構築補助金通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠については6月18日に採択結果を公表予定

なお、中小企業庁のホームページによると、通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠については、令和3年6月18日(金曜日)に採択結果を公表予定とのことです。

この度特別枠で不採択になった場合も、通常枠で再審査される運用となっていますので、通常枠の採択結果発表をお待ち下さい。

  • B!

最近の人気記事

1

「事業再構築補助金」は制度開始から3年目を迎えました。多くの中小企業に知られるようになった事業再構築補助金ですが、このページでは2023年の制度の全容を10分でわかるようにまとめて解説します。 「事業 ...

2

「ものづくり補助金」は制度開始から11年目を迎えました。中小企業政策で最もよく知られているといってもいい「ものづくり補助金」ですが、このページでは2023年の制度の全容を10分でわかるようにまとめて解 ...

3

おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。 先日、納税地の所轄税務署から「消費税課税事業者届出書の提出について」という文書がきました。個人事業主は、ある期間の課税売上高が1,00 ...