おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
最近、リモートデスクトップ環境の構築にハマっていますが(何事も熱しやすく冷めやすい)、当社ではリモートデスクトップソフトとしてChromeデスクトップとWindows標準のリモートデスクトップの2つを試してみました。触った結果、どちらも一長一短ありました。比較結果をまとめてみたいと思います。
まずは結論。中小企業が採用するリモートデスクトップはどっちがいいのか?
まずは結論から説明したいと思いますが、Windows 10 Proをホストにして、かつVPN構築できるだけのネットワーク知識があれば、Windowsリモートデスクトップのほうが(僕個人の意見としては)望ましいと思います。そもそもホスト機のOSはWIndows 10 Proと違う場合や、もしくはVPN構築ってなにそれ?と思う人、もしくは会社のセキュリティポリシー等によりVPNの構築ができないという場合は、Chromeデスクトップのほうがよいと思います。
ChromeデスクトップとWindowsリモートデスクトップの比較表
本当はいろんな違いがあると思いますが、僕が触ってみた範囲内(かつ、僕自身が重要だと感じた範囲内)で、ChromeデスクトップとWindowsリモートデスクトップの違いをまとめてみました。
VPNさえ構築できれば細かい使い勝手はWindowsリモートデスクトップのほうが上なのではないか
上記の比較表をご覧いただければわかると思いますが、Chromeデスクトップは本当に優秀です。ホスト側のOSに制限はありませんし、ソフト自体にNATパススルー機能(?)があるので、ルータの設定やVPN構築をしなくても、ローカルネットワークのホストを外部ネットワークからリモート制御できます。これで無料なんですからすごいことですよね。
そうした利点の反面、細かい使い勝手を考えると物足りない部分もあります。例えばですがホスト側(操作されるほうの端末)がスリープ状態であれば、リモートでの操作ができません。したがってホスト側はスリープしないような設定にしておく必要があります。
また、ホスト側とクライアント側(リモートでホストを操作する側)のディスプレイの解像度に差があった場合、適切に表示されません。ホスト側の解像度で、クライアント側が表示されます。クライアント側の解像度を最適化しようと思うと、手作業で解像度を変更してあげる必要があります。ホスト側がマルチディスプレイにしていた場合は、マルチディスプレイごとクライアント側に表示されますので、解像度や表示設定を変えないととても使いにくいでしょうね。
そしてクライアント操作時のホスト挙動の問題もあります。クライアント側で操作をしているときには、ホスト側で操作挙動がすべて丸見えです。また音も出ますので、例えばクライアント側でYouTubeの動画を見るなどした場合は、ホスト側でも同じ画面(YouTube動画)が表示され、しかもホスト側で音も出るという始末です。事務所に誰かがいたら、どんなことしているか丸わかりですから、ちょっと恥ずかしいですよね。当社は一人会社ですし、そもそも変なもの見なきゃいいじゃないかというのはありますが、例えば従業員の査定や給与に関するような作業はChromeデスクトップではやりづらくなっちゃいますよね。
その点、Windowsリモートデスクトップは、ホスト側がスリープ状態でも操作可能ですし、解像度はクライアント側ディスプレイの解像度に合わせて自動調整してくれます。クライアント操作時のホスト挙動は見られません。ホスト側が非ロック状態だった場合、リモートからのアクセスがあるとホスト側はロック画面になります。ホスト側がスリープ状態のときにリモートからアクセスがあると、スリープのままです。当然、クライアント側でYouTubeを見ても、音がでることはありませんね。
ただし繰り返しになりますが、Windowsリモートデスクトップのこうした使い勝手の良さを享受するためには、ルータ設定やVPNの構築が必要になります。どっちをとっても一長一短だ、ということの背景は、こういうことなんですよね。
当社はWindowsリモートデスクトップを採用することにしました。VPNの構築知識もそんなにあるわけじゃないんですけど、VPNAzureやSoftEtherといったクラウドサービス、ソフトを使うことで、VPN環境もお手軽に構築できたからです。VPNAzureやSoftEtherについても、おいおい解説したいと思います。