おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
創業当初からずっとやりたかったことの一つに「シンクライアントシステム」の導入がありました。この度ようやくシンクライアントシステムを、初期導入費用88,630円、月額費用4,319円というまずまず格安で導入できました。
シンクライアントシステムとは?
シンクライアントシステムとは、処理や情報の保持は全てサーバ側で行い、端末側はサーバー側の情報にアクセスするだけという仕組みのことを指します。例えばですけど、メールを利用する場合も、普通だと端末のHDDやSSDにメールソフトをインストールし、受信メールデータが蓄積されます。シンクライアントシステムではメールソフトをインストールするのはサーバ側で、受信メールデータの保持もサーバで行うというものです。端末は単にサーバ側に情報をのぞきにいくだけで、端末側ではデータを保持しません。
なんでこんなことをするのかというと、主にはセキュリティの理由です。僕は仕事柄、ノートPCを持ち歩いていますけど、そこには顧客の情報が大量に保持されています。できる限りクラウドに置くようにはしているのですが、それでも受信メールデータやクラウドサービスのローカルアクセス用データは、ノートPCのSSDに保持されています。もしこのPCを紛失したり盗難されると、セキュリティ的にはかなりまずいことになります。(データはクラウドにもあるので、仕事に支障がおきることはないんですけど)
で、当社でもようやく導入したんですけど、できるだけコストのかからないよう、下記のような仕組みで実現しました。SoftetherというフリーのVPNサーバと、Windows標準機能のリモートデスクトップを活用するという方法で、格安で実現することができました。全てサーバで処理をし、端末にはサーバの画面情報だけを転送するので、サーバーベースコンピューティング型のシンクライアントシステムになるんですかね。
当社のシンクライアントシステム構築と維持にかかった費用
初期導入費用88,630円、月額費用4,319円というまずまず格安で導入できました。内訳は下記のとおりです。
肝心のシンクライアント端末(ノートPC)は中古で購入しました。富士通のLIFEBOOK U938/Sです。軽いしWWANスロット(SIMカードスロット)があるので、モバイル向けだということで選びました。シンクライアント端末はサーバを覗きに行くだけなので、メモリ増強もSSD増設も不要だと思いますが、なぜか(あえて)メモリとSSDを追加・換装しました。これはほとんど自分の趣味でやったというのが正直なところですが、まあ言い訳をするとなると、サーバが何らかの原因で故障した際に代替機として当面使うという建前で増強しました💦
あとスイッチングHUBを購入してますが、SoftEtherでVPNを構築する時、サーバが無線だと接続が安定しないのです。
月額費用に4,319円もかかるの?という気もしますが、実はこれは業務用のスマホの利用料が含まれています。大容量プランを契約しておいて、そのデータ通信量(25GB)をスマホとシンクライアント端末とでシェアするという方法をとっています。もともとスマホの契約だけで3,000円くらいかかっていたので、実質的には1,300円くらいの月額費用増加でシンクライアントシステムが導入できたと言えるでしょう。ただデータ通信量をスマホとシェアなので、シンクライアント端末でもそんなにバカバカとアクセスをすることはできませんね。まあ、外出頻度からみても、シェアプランで十分だろうという計算がありました。
まあ一人株式会社の一人親方なので、このくらいのコストでできたことは十分と言えるのではないでしょうかね(自画自賛)。シンクライアントシステムの導入には、厚労省の働き方改革推進支援助成金が使えるみたいですけど、たいした費用もかからないし既存の技術の組み合わせなので、助成金をもらう手続きの煩わしさを考えると、助成金なしでやったほうが断然いいレベルだと思います。
遅延はあるものの使い勝手は上々
ネットワーク越しでサーバを操作するわけですから、遅延は当然生じます。ただ、メールにアクセスしたりWord等で文書作成をしたりする程度だと、それほど差し障りがない遅延です。(一度、公衆Wifiからサーバ側の信長の野望を立ち上げてプレイをしましたけど、一応は遊べましたから)
どうしてもレスポンスの早い動作が必要であれば、クラウドからデータをシンクライアント端末のローカルに落としてきて、そこで作業をする方法もあります。あとで消すという手間は生じますが、 Windows10 では、ダウンロードフォルダーに保存したファイルは、一定期間後に自動削除する設定ができるので、こういうのを活用すればいいのかなと思っています。