おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
「毒物及び劇物取締法」、通称毒劇法の解説4回めは、毒物劇物の取扱・表示方法について、法第11条~12条を中心に解説します。
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毒物劇物の取扱・表示方法
毒劇物の取り扱い方法について、法11条と12条で決められています。
まず重要なのは、誤飲防止のため、すべての毒劇物の容器としてペットボトル等の飲食用容器を使用してはならないということです。粉末だったらペットボトルに入れてもいいとか、そういう条件はなく、一律に全ての毒劇物を飲食用容器に保管することはできません。
また、貯蔵・陳列する場所には「医薬用外毒物」「医薬用外劇物」の文字を表示する必要があります。貯蔵・陳列する場所の表示には、色の指定はありません。
一方、現物の容器、被包(ラベル)にも「医薬用外」の文字を書いたうえで毒物は赤地に白文字で「毒物」と書くこと、劇物は白地に赤文字で劇物と書くことが求められています。容器・被包は色の指定までありますので注意してください。
貯蔵等の場所は、毒物劇物営業者の登録基準で説明をしたとおり、盗難防止のために施錠することが原則求められています。ただし鍵をかけることが物理的に困難な場合は、堅固な柵を設けることでも代用可能です。そのうえで、敷地境界線から十分離すか、一般人が用意に近づけない措置を講じる必要があります。
もちろん、貯蔵等する場合には、飛散や漏れ、流出、しみ出し、地下浸透を防ぐための必要な措置(下地をコンクリートにする等)が必要です。
毒物劇物の容器・被包の表示例
容器、被包(ラベル)の表示例を見てみましょう。
これは劇物である過酸化水素水のラベルの例ですが、右上に「医薬用外劇物」と書いていて白地に赤文字で書いていることがわかります。
また、容器、被包には名称、成分、含量なども書いてなければなりません。政令で定められる物質(例えばジエチルパラニトロフエニルチオホスフエイト(別名パラチオン))であれば解毒剤(二―ピリジルアルドキシムメチオダイド(別名PAM)の製剤及び硫酸アトロピン)の名称を表示しなければ販売し、又は授与してはいけません。
また法律で義務として定められてはいませんが、多くの毒劇物の容器、被包にはGHSに対応したラベルが書かれています。GHSラベルとは、化学品の危険性・有害性を示す、国際標準のマークのことです。また、容器・被包を開いて販売・授与するときは、販売者の氏名、住所、毒劇物取扱責任者氏名を表示しないといけないことが、施行規則で定められています。
最後に、容器・被包を開いて販売・授与するときには、毒物劇物営業者の氏名、住所、毒物劇物取扱責任者の氏名を表示しなければなりません。