おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
1月24日、事業復活支援金事務局は、給付規程・申請要領等の資料を多数公開しました。ここでは申請要件である「新型コロナウイルス感染症の影響」について詳しく触れられています。これに関して、当社独自の観点から考察をしてみたいと思います。
2022年1月24日時点版「事業復活支援金の詳細について」における"2.新型コロナウイルス感染症の影響"
新型コロナウイルス感染症の影響と関係がなければ事業復活支援金の給付要件を満たさない
まず注意をしないといけないのは、下記のケースは事業復活支援金の給付要件を満たさないということです。
※新型コロナウイルス感染症の影響とは関係のない以下の場合等は、給付要件を満たしません
- 実際に事業収入が減少したわけではないにも関わらず、通常事業収入を得られない時期(事業活動に季節性があるケース(例:夏場の海水浴場)における繁忙期や農産物の出荷時期以外など)を対象月とすることにより、算定上の売上が減少している場合
- 売上計上基準の変更や顧客との取引時期の調整により売上が減少している場合
- 要請等に基づかない自主的な休業や営業時間の短縮、商材の変更、法人成り又は事業承継の直後などで単に営業日数が少ないこと等により売上が減少している場合 等
給付要件を満たさないケース①通常事業収入を得られない時期を対象月として売上減少に見せかける
給付要件を満たさないケースの最初に「実際に事業収入が減少したわけではないにも関わらず、通常事業収入を得られない時期(事業活動に季節性があるケース(例:夏場の海水浴場)における繁忙期や農産物の出荷時期以外など)を対象月とすることにより、算定上の売上が減少している場合」というものがあります。
通常事業収入を得られない時期の詳しい説明として「季節性があるケース」と書いています。季節性があるなら、過去の同じ月を対象とするのであれば、似たような売上の傾向になるのではないかという気もしますが、ここで言いたいのは売上のムラによって生じた売上減少は対象外だ、ということなのでしょう。この例の他にも、「たまたまコロナ以前のこの年の2月には短期契約の大きな仕事があったが、今年の2月はそれがない(なぜならたまたまのスポット受注だったから)」というようなケースもこれに該当すると思います。
給付要件を満たさないケース②売上計上基準変更・顧客との取引時期の調整
給付要件を満たさないケースの2つ目として「売上計上基準の変更や顧客との取引時期の調整により売上が減少している場合」というものがあります。
売上の計上時期は、業種または事業のやり方によって異なりますが、一般的には「実現主義」と呼ばれる原則が採用されています。例えば当社の場合サービス業ですが、役務の提供が完了した日に計上するのが一般的です。このように売上計上基準はルールとして決まっているので、正当な理由なく変更することはできません。そうした細工をして売上が減ったように見せることはダメということですね。
「顧客との取引時期の調整」というのは、例えば「事業復活支援金の要件を満たしたいので、この請求書は来月に出させてください!」というような調整を顧客とするということなどが該当するでしょうか。
給付要件を満たさないケース③要請等に基づかない自主的な休業等
給付要件を満たさないケースの3つ目には「要請等に基づかない自主的な休業や営業時間の短縮、商材の変更、法人成り又は事業承継の直後などで単に営業日数が少ないこと等により売上が減少している場合」というものがあります。
要請等に基づかない自主的な休業や営業時間の短縮というのは、緊急事態宣言やまん延防止重点措置などが出ていないにも関わらず勝手に休んだ(時短営業した)ということでしょうか。これは事務局ホームページの「よくある質問 Q3」にも次のよう解説があります。
ここでは「事業が可能である状況にありながら、給付金の受給を目的として休業……」と書いています。確かに給付金の受給を目的に休業をするというのはどう考えてもアウトでしょうが、「要請等に基づかない自主的な休業」にはいろんなケースがあると思います。例えば感染防止の観点から、緊急事態宣言やまん延防止重点措置の発令地域ではない企業が、要請に基づかない休業や時短営業を買って出るというケースも多くあるでしょう。そういうところにとってはちょっと理不尽な要件に感じるかもしれません。
商材の変更というのも今ひとつピンときませんが、例えば(コロナとは無関係に)採算の悪い商品・サービスの提供を控えるなどして、一時的に売上が下がったというようなケースを想定しているのかもしれません。
法人成り又は事業承継の直後などで単に営業日数が少ないこと等により売上が減少している場合というのはどういうケースがあるでしょうか。例えば法人成りをすると、法務局に行ったり銀行や役所に行ったりして、業種によっては店を閉めなければならないケースもあるでしょう。事業承継も同様で、銀行にいって後継者の名義に変更したりする必要があるかもしれません。こうした背景による売上減少は、たしかに新型コロナウイルス感染症の影響とは言えませんね。