おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。
1月26日、中小企業庁は「事業復活支援金のリーフレット」と「事業復活支援金の詳細について」を更新しました。事業復活支援金の申請要件の一つである「新型コロナウイルス感染症の影響」が、多少、要件緩和されることになりました。
「事業復活支援金のリーフレット」と「事業復活支援金の詳細について」はこちら
「事業復活支援金のリーフレット」
「事業復活支援金の詳細について」
事業復活支援金リーフレット・詳細説明資料の変更点
今回の更新ではどこが変更になったのでしょうか。事業復活支援金の申請要件の一つである「新型コロナウイルス感染症の影響」が変更となっています。具体的には、下記の黄色で強調した部分が新たに追加されました。
前の版(1月24日版)では上記の黄色の部分がありませんでした(顧客・取引先が⑦~⑨の影響を受けた場合でも対象外でした)が、この度の更新で、顧客・取引先が⑦~⑨の影響を受けた場合も対象になるようです。
事業復活支援金給付要件が実質的に緩和に
この更新にはどのような意味があるのでしょうか。端的に言えば、要件の緩和と言えます。
例えば「供給の制約による影響⑦」では、「コロナ禍を理由とした供給減少や流通制限に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な財・サービスの調達難」と書いています。これはわかりやすく言うと、「コロナのせいでモノが入ってこなくなって、自社の製品・サービスが作れない」という状態のことを指します。例えば最近ではコロナを理由とする半導体不足(海外でのロックダウンや船便の逼迫、港湾労働の停滞)によって、自動車や給湯器の生産が滞るようになっています。この要件(供給の制約による影響⑦)では、こうした半導体不足によって、自社の製品・サービスが作れないというケースを想定しています。
ところが、現実はもう少し複雑です。例えば自動車は、JIT生産をしている関係上、どれか一つの部品が不足していたとしても、他の部品まで生産を止めます。ですので例えば自動車のシートを作っている会社も、シート部品の原材料は入手可能であるにも関わらず、半導体不足の影響で生産が止まります。ところがこの要件(供給の制約による影響⑦)では、「自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な財・サービスの調達」とありますので、これを厳密に読めば、いくら自動車部品全体の生産が止まっていても、自社の製品(シート部品)の原材料が入手可能であれば、供給の制約による影響⑦は適用されないことになります。
ところが今回の更新では、顧客・取引先が⑦に該当している場合でもOKとなりました。自社はシート部品だけしか作っていなくても、その顧客(自動車メーカーやTier1など)が半導体不足によって影響を受けているのであれば、シート部品の原材料は入手可能であっても給付の対象になるということですね。これは実質的な緩和と言えそうです。(というか、こういうケースも、役所が最初から想定すべきケースだと思います)
この変更で給付の対象となる企業はまずまず増えるのではないでしょうか。