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2022年度ものづくり補助金「グリーン枠」徹底解説(第2回)

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おはようございます!マネジメントオフィスいまむらの今村敦剛です。

2022年度ものづくり補助金から新たに設けられた「グリーン枠」について、要件のひとつでもある、「温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発」「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善」を解説します。

「グリーン枠」固有の必須要件

次に「グリーン枠」に応募する上では、基本要件(給与支給総額・事業場内最低賃金・付加価値額の増加)のほか、下記の3つの要件を満たさなければなりません。

(1)次の①又は②に該当する事業であること。

①温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発
(例:省エネ・環境性能に優れた製品・サービスの開発、非石油由来の部素材を用いた製品・サービスの開発、廃棄物削減に資する製品・サービスの開発 等)

②炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善
(例:生産工程の労働生産性向上を伴いつつ脱炭素化に資する設備投資、水素・アンモニアを活用する設備導入による燃焼工程と生産プロセスの最適化、複数ラインの作業工程を集約・高効率化 等)

(2)3~5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること。

(3)これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体的な取組内容)を示すこと。

「温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発」とは何か?

ものづくり補助金でいう「革新的」というのは、「自社にはなく、他社でも一般的ではない製品・サービスのことで、業種内や地域内での先進事例と言えるもの」という意味があります。したがって、温室効果ガスの排出削減に役立つもので、かつ、他社でもあまり提供していない製品やサービスの両方を満たすものでなければならないでしょう。

例えば、実現可能性があるかどうかは別として、「パソコンの排熱を利用した暖房器具を新たに開発した」みたいなイメージではないかと思います。そうした暖房器具は一般的な製品ではありません。一方、パソコンの排熱を再利用できれば、エアコンやファンヒーターの動力・燃料(電気や石油)が不要になるので、CO2排出量も減少するはずですね。

ただ「CO2排出量も減るはずだ」で終わってしまっては、採択されません。この新製品を開発し販売することで、次の要件「(2)3~5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること」を満たす必要があります。実際、「様式2 炭素生産性向上の取組及び温室効果ガス排出削減等の取組状況」に次のような記述もあります。

当該革新的な製品開発・サービス提供により、付加価値額とCO2排出量がそれぞれどのように変化するのか、算出根拠を可能な限り具体的に記載してください(例:量産化によりCO2排出量自体は●●t増加するが、売上高の増加によって付加価値額が○○千円増加するため、炭素生産性は1%以上向上する)。

また、「温室効果ガスの排出削減に役立つもので、かつ、他社でもあまり提供していない製品やサービス」を提供することができれば、それを買ってくれて利用してくれた人(顧客)にとっても省エネ(≒CO2排出量低減)につながるはずです。その効果がどの程度なのかも計算する必要があるようです。

また、補助事業を通じて取り組む製品・サービスの開発の成果により、当該製品・サービスの利用者のCO2排出量がどの程度削減するのか、について、根拠、推計、考え方等を示してください。記載にあたっては、例えば、従来品(もしくは従来のサービス)によって、排出されていたCO2排出量が、自社の新製品(サービス)と代替されることによってどの程度の効果が見込まれるのか、1個あたり(1回あたり)などの単位をもって具体的に記載するなど、客観的に判断ができる内容であることに留意してください。

「パソコンの排熱を利用した暖房器具」という新製品のケースだと、この新製品を使った場合の電力使用量と、従来のエアコンやファンヒーターの電力使用量を比較し、根拠とともに様式2に記述する必要があるでしょう。

「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善」とは何か?

「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善」については、公募要領で例が挙げられています。

例:生産工程の労働生産性向上を伴いつつ脱炭素化に資する設備投資、水素・アンモニアを活用する設備導入による燃焼工程と生産プロセスの最適化、複数ラインの作業工程を集約・高効率化 等

「複数ラインの作業工程を集約・高効率化」などは、例えば機械加工だと複合加工機を購入すればすぐにでも実現ができそうです。2台~3台の設備を使っていたものを1台の設備で加工できるようになるならば、電気代の節約にもなるでしょう。

ただやはりものづくり補助金では「革新的な生産プロセス」を作り上げることが求められますので、単に複合加工機を導入して効率化したというのではダメでしょう。例えばですが、複数工程の集約化を行った上で、その成果として納期が競合他社よりも革新的に短くなるなどといった「革新性」がなければ採択はされないでしょう。

また「様式2 炭素生産性向上の取組及び温室効果ガス排出削減等の取組状況」に次のような記述もありますので、CO2排出量の変化の根拠を具体的に示さなければなりません。

導入設備の仕様、定格エネルギー使用量(CO2排出量)、エネルギー効率、生産能力、年間稼働時間など、CO2排出量の変化の算出根拠を可能な限り具体的に記載してください。

  • B!

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